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FM局盛衰記・2

しばらくは具体的な話を書く予定だ。
思い違い、また誤解を与えるような表現があれば、その都度ご指摘いただければ幸いだ。
とにかく、少し感情が交じるかもしれないが、ご容赦ねがいたい。


前回バブルがはじけたと書いたが、ラジオ業界にそれが津波のように押し寄せたわけではない。
土地価格がドーンと下がったといっても、ほとんどのFM局はそういう余分な投資はしていない(ゴルフ場の会員券はスポンサーのからみでだいぶ買わされたりしたが)ので、いきなり売上大幅減にはならず、じわじわ、じわじわ影響が出ていったというのが実情ではないか。
レコード業界では、わが世の春だったファンハウスやフォーライフ等が失速、いずれも自社ビルを建てたばかりにバブルの影響を受けた形になったようだ。
その後は、レコード会社が外資系に買収されたり、音楽事務所が力をつけて原盤権や音楽出版権などおいしいところをレコード会社に渡さず、宣伝費だけレコード会社に負担させるという形になり、ますますレコード会社が苦しくなっていくのである。
赤坂のコロンビア通りにあったコロンビアのスタジオ(美空ひばりがレコーディングしたという由緒正しい場所)まで、外資の経営者によって売却されたり、その影響は日本のレコード会社の伝統を次々に破壊していったように思われた。


外資系は選択と集中を徹底し、それがミリオンセラーのCD続出という結果を一時的に生み出したが、その裾野はますます狭くなり、パソコンやネットの普及でその選択と集中も不可能になっていくのだった。
その反動で、まだ過去の伝統を継承できたレコード会社、例えば新興で株式上場緩和の恩恵を受けられたAVEXなどが、多くのアーチストを抱え、一人勝ちの状況になったことは押さえておいていいかもしれない。


ま、レコード会社のことは又別のところで語ることにして、ラジオ業界である。
既に古巣のFM局を退職していた私は、自分が企画立案しその後も続いたミュージカル上演の会社に転職。
バブル崩壊に見舞われながら、しばらくは演劇制作業務を維持。
当時の、産経新聞経済部出身だったFM局社長の「バブルは一時のことだ。後5年もすればまた景気は戻ってくる。その時は一緒に頑張ろう」などという言葉を信じ、無理をして事業を継続していたというのが実際のところだった。
しかし、この社長の言うことは、ことごとく外れた。
景気はどん底のまま、FM局の売上も落ちる一方、しかもライバル局がレコード業界との関係を強める中、完全においてけぼりになりはじめる。
もはや、FM局の業績が上向くことはなかった。


社員の数も70人余りだったのが、今や一時期の1/2である。
制作現場の社員、多い時は20人ぐらいいたが、現在は当時の1/4。
レコード室担当も最低でも2人いたのに、今やそんな室そのものがなくなってしまった。
技術部となると、多い時に10人いたのに、今では3人しかいない。
つまり、生産現場を外注し、営業部や総務部だけは必要人数は残すという考え方に変わったのだ。
これを、しなければいけない正しい合理化だと、当時の人事担当役員は言っていた。
多分、その任を解かれた今も、その人の意見は変わっていまい。
前のような体制を維持することは、売上減の前には全く不可能だったのだろう。


半分の社員の人数が生み出しのは何か、それは売上の半減だった。
いや、その逆かもしれないが。
半分の売上で養えるのは、半分の社員でしかないのだ。
いわゆる下方スパイラル、何か、戦国時代の衰退する大名のようなものだ。
城を守るものが毎日減っていく中で、外へ打って出る力もなくなっていったのだろう。
そして、今は。
その話は、ゆっくり考えながら次回に書いてみたい。





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