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ビジネスで必要とされる「認知的スキル」・2

田中昌弘氏が提唱したビジネスで必要とされる認知的スキルの3C。
①新しいモノや組み合わせを考えつく能力ー創造力(Creativity)
②相手が何を欲しいかを察して引き出す能力ーコミュニケーション力(Communication)
③新しい感性に訴え、「クール」であることを判断できる能力ー美的センス(Cool)


正直、個人的にはあまりすっきりしないネーミングなのだが、「欧米では、認知的スキル(Cognitive Skills)と呼ばれている」と書かれているので、とりあえずこれを前提にして話を進めたい。
で、これらの能力の獲得には、幼少時の3つの家庭環境が重要とOECDが言っているそうだ。 
(OECD、経済開発協力機構が何故?という気もあるが、無視して先へ行く。)
1つは、家庭での本の量、親が本を読めば子供も読むからということ。ま、それはよくわかる。
2つめは、親同士が知的会話をしているかどうか。親同士の会話を聞いてコミュニケーション力が鍛えられるらしい。
3つめは、親が美術展やコンサートに子供をを連れて行くかどうか、それが美的センスを養う・・だそうである。
どうも、知的家庭に育たなければ、ビジネスで必要とされる認知的スキルは自然に身につかないようだ。


そうですかね?
証明のしようがないが、確かにそういう環境にあったほうが、そのスキルとやらは育まれやすいのかも。


さて、抽象的な話をしていても、コミュニケーションは成立しないかもしれないので、具体的な話を交えながらメディア論を書いてみたい。
放送局、例えば部の会議などで、この認知的スキルはどれだけ必要だろうか。
新しいものを作る能力、創造力、まずそんな話は議題には載らないだろう。
創造力というのは、議題にするにはあやふやすぎる。
初期においてはきわめてパーソナルなもので、そんな話を会議でされても困るとほとんどの管理者は思うだろう。
私が営業時代、そういう関連の提起、すなわち今までの方法論ではクライアントはつかめない、新しくこうしたらどうだろうという提言をしたことがあるが、そんな話を営業の会議に持ち出すなと叱られたことがある。
方法論は決まっているのである。
お前たちは決められたことをその通りやるのが仕事だ。
その結果を報告するのが営業会議であり、おまえの意見を聞く場ではないというのだ。
じゃ、私が自分の意見を述べる場はどこにあるのだと反論したが、しらけた空気が残るだけだった。
同じように制作部の会議でも、こういう番組をするべきだ、こういう企画を提案したいという話をしたが、君の意見は意見として聞いておくで終わってしまった。
会議は上からの指示を伝える場であり、ボトムアップの場ではないという風に私は感じた。
創造性、多分、放送局の公的な場には不似合いなのだろう。


コミニュケーション力、ほとんどの放送局員には苦手な分野ではないだろうか。
本当に人付き合いが悪い人が多い。
自分の意見に頑固だし、何か上から怒られたり、人事異動で不当な仕打ちをうけたりしたら、とたんに精神的に落ち込んだりする。
確かに、神経質な人も多いし、それだけ繊細なのだろうが、多くのリスナーを相手に仕事をしている貴方が、そんなことで一々傷ついていていいのかとよく思った。
夏目漱石、芥川龍之介、太宰治、皆さん精神的にはとても柔であったことは間違いないが、何も放送局のあなたが一緒になって精神的柔であることはなかろう。
放送マンなんて、文学の大家が持った繊細さなんか望まれていないんじゃないの?


思うんですよ、放送局の人はもっとコミュニケーション力を養ったほうがいいと。
今でも、古巣のFM局に行った時、ちゃんと私に挨拶してくる人なんて少数派ですよ。(外部のスタッフの人のほうが、ずっと愛想がいい。)
いえ、誤解しないでください、よくある辞めた人を見る冷たい視線じゃないんです。
多分、何しにきたんだろう、下手をしたら、何かされるんじゃないか、という目なんです。
何者に対しても抗えない目というのですかね。
どこにコミュニケーション力が感じられましょう。


さて、最後のクールですが、多分本人は皆さん自分はクールだと思っているでしょうね。
自分は放送局に入ったんだ、それだけでクールではないかと。
クールとは、普遍的な価値観ではないと私は思うんです。
今、何が大衆の好みに合うのか、アトラクティブであるのか、ニーズと対応するのか、それを見極める能力がクールなのです。
過去の価値観で何とかやりすごそうとするものに、クール感覚はありません。
「変らずに生きてゆくためには、自分が変らねばならない」という映画「山猫」のセリフ。
クールとは、そういう自分を変えようとする意志と不可分なのではないかと。l


ということで、ラジオ関係者が如何にビジネスで必要とされる認知的スキルを持たないかを書いてみました。
さて、そういうスキルを持たずに、新しい時代に挑戦しようとする放送業界の現状を次回に取り上げてみたいと思います。
ますます、ええ加減にしろよという声が大きくなるのを感じつつ。




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100以上の番組、ライブを中心としたイベント、舞台、映画など、専らクリエイティブな世界に身を置いて30年。
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いつまで続くかは皆さん次第。


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