昨日から東京のAM3局がワイドFMというFM補完放送をスタートした。
マスコミの食いつきはマアマアだったが、肝心のリスナーの反応は鈍そうだ。
これは考えたら当たり前。
今のAMリスナーは、別に無理して今の放送を聞いているわけではない。
それなりに納得して聞いている、音が悪ければリスナーになってはいない。
だから、今日からFMでも聴けますよと言われても、じゃあ変えてみようと思う人は少ないだろう。
マスコミは、今回のワイドFMを災害時の放送、そして難視聴対策とちゃんと指摘している。
災害時でもないし、別に今のAM放送でも問題ないと思うリスナーには関係ない話だ。
朝日新聞だったか、これでFMのリスナーがこれらの局を聞いてくれるのではと期待されるなんてことを書いていた。
そんな甘いものではないと私は思うが、本当にそんなことを思っているAM局の偉いさんはいるのだろうか。
FMリスナーが、どんな放送を期待しているのかを考えると、今の放送をサイマルで流しているだけのAM番組をすんなり聴くはずはないではないか。
前にも書いたが、今のAM局、一番売れているゾーン、朝とか昼のワイド番組、土日の午前~夕方帯の番組の編成方針を変えることなどできはしない。
音楽番組を増やすといっているのは、夜~深夜帯だけだ。
悪いが、その時間帯は、もはやFM局であってもスポンサーがつかないゾーンだ。
そこに音楽番組を導入したところで、リスナーは動いてもスポンサーは動かない。
人気のワイド番組帯に音楽番組を増やすというのならわかる。
FMのリスナーが、ちょっと浮気をしてくれるかもしれない。
だが、そんなことをしたら、AM局にとっては自殺行為だ。
せっかくつかんでいた客から愛想つかされるだけだと思う。
音楽がキラーコンテンツになる時代など、とっくに過ぎ去った、それは既存のFM局が一番わかっていることだろう。
AM局はどうやってこのワイドFMをリクープするのか。
話題にはなった、好意的な人も多い。
だが、ストレートに商売にはならない。
今のところ、偉いさんが発しているワイドFM論については、瞠目するところはまるでない。
まだ、そんなこと言ってるのという以外に感想はない。
いずれAM放送をやめたら、きっと大きなメリットが生まれてくると本音を吐露するラジオ局の首脳もおられる。
ワイドFMではない、ねらいはオンリーFMである、このままではFM分は全部持ち出し、どうやってAMを切り離すか、それが課題というのがAMラジオ局の現状ではないだろうか。
何が災害放送だ、何が難視聴対策だ、現実を直視しないともはやラジオには未来がないのは分かっている話ではないか。
もちろん、ワイドFMになって、音質がよくなるというのは悪い話ではない。
要は、それからどんなサービスを新たに用意しようというのか、その点にかかってくる。
ただ音楽を重視するでは、何の足しにもならない。
イノベーションを起こそうするのなら、まずサプライズともにその第一歩を踏み出すべきなのだ。
一体、何があるのか、彼らに。
放送の現場は、今までどおりのことを繰り返す以外に方法はないだろう。
後は、実際にどちらの電波を聞いているのかを、メールなどに書いてもらって、それを対外的に発表することだ。
radikoでどれぐらい聴かれているかも公にしないラジオ局だから、都合の悪い情報はまた外に出すことを躊躇するだろうが、今回はぜひ、そのあたりのリスナーの反応を聞かせて欲しい。
寄らしむべし、知らしむべからずでは、ラジオの未来など相手にする人もいなくなるんじゃないだろうか。
などと、大きなお世話のワイドFM論を書いてみた。
実際、聴き始められた方々の感想などもゆっくり取材してみたいとは思っている。
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