「フロムさんの大きなお世話~コミュニティFM編」(http://d.hatena.ne.jp/from3/)のスピンオフ的ブログ。 大阪のFM局、東京の衛星放送局、埼玉のローカルFM局など、ラジオ業界を中心とした30年あまりのプロデューサー生活を振り返る。
中西さんが、上岡さんにはかなり教え込んでいたと思いますよ。私はタレント・上岡龍太郎の形成に中西欣一さんがひと役買っていると見てるんです。
中西さんというのはすごいディレクターでして、何もしないんですよ。ぼくらがラジオでしゃべっていると、D卓で文庫本を読んでいるんです。文庫本を読みながら、ミキサーさんにパッと指でキューを出すだけなんです。こちらを一瞥もしない。本を読んでいるからこちらは何をしてもええのかな、と思うと、ポーンとレコードへいくんです。(中略)「退屈になったらレコードへ行くことにしてんねん」、聞いてんねやね。でね、「本が読めるようではアカン」ちゅうんですワ。
中学ぐらいからラジオにはまり始めた私は、ラジオ大阪が一番のお気に入りでした。
「アナウンサー・コーナー」「大阪オールナイト・夜明け迄ご一緒に」「題名のない番組」、いわゆるワンアンドオンリーな番組がキラ星のように輝いていた時代でした。
で、そのラジオ大阪の番組の中で出演者がよく口に出すディレクターの名前がありました。
中西ディレクターとおっしゃいました。
マイクの前には出てこないが、確実に番組をコントロールしている、そんな印象を強く持った次第です。
ああ、放送というのは、出演者だけの力でできているんじゃないんだな、心のどこかで中西ディレクターのようになれればいいな、と思ったりしたわけです。
何がよかったのか?
まず企画力がある。
毎回、面白いことするなあと感心していました。
次に、出演者への統率力がある。
タレントの個性を把握し、能力を把握し、そしてチャレンジ精神を引き出すことに成功している。
今の時代を見抜く眼力がある。
時代のパラダイムを認識している、又今後それがどう変化していくかが動物的にわかる。
人を育てる力がある。
新人を発掘し、場を与え、自然に伸びていけるような環境を用意する。
幅広い知識がある。
リスナーから常に半歩ほど前を歩く努力を日々自分に課している。
時間、空間を把握する力がある。
例えば60分で何ができるか、またこの話を完結させるには何分かかるか、リスナーはこの言葉を聞いてどこまで空間をイメージできるか。
中西ディレクターには、それがあったと今の私は考えています。
私も放送マンになれれば、きっとそんなディレクターを目指したいと思ったりしていました。
私がどこまで中西ディレクターに近づけたのか、今もよくわかりません。
一人立ちした頃、私はある日、中西ディレクターに会いに行くことがありました。
明日は、その話等をしてみましょう。~以上フロムさんの大きなお世話・コミュニティ編「中西ディレクター」より
次の日は中西ディレクター・2につながります。
Author:フロムさん
100以上の番組、ライブを中心としたイベント、舞台、映画など、専らクリエイティブな世界に身を置いて30年。
言いたいことは一杯あっても、口に出せないことだらけ。
せめてはその一部でも書き残そうと試しに作ったブログ。
いつまで続くかは皆さん次第。
ツイッターHN :abex795
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