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追憶~ラジオ大阪の名物Dだった、中西欣一ディレクター

11月に入り、秋たけなわである。
先日訪れた京都の東山は、そろそろ冬支度をはじめかけていた。
秋は静かで、枯葉の音だけがさやさやと聞こえてくる。
秋はともに静かに歩む、時のパートナーなのかもしれない。


秋は読書の季節でもある。
外でのんびりと本が読める、それも爽やかに。
今読んでいる本、「上岡龍太郎 話芸一代」(戸田学著 青土社刊)、上岡龍太郎さんの話芸の一端がうまく書かれている。
上岡さんについては、またいつか触れることにする。
というか、一度も会ったことがないので、たいしたことは書けないが。


で、この本の中で、興味深い話に出会えた。
私が過去のブログで何回かとりあげたラジオ大阪の中西ディレクターの紹介があったのだ。
「上岡龍太郎 話芸一代」によれば、横山ノックさんの参議院議員転出で漫画トリオが解散状態になった時、上岡さんを助けたのがラジオだという。
特に、ラジオ大阪で始まった番組「オーサカ・オールナイト~叫べ!ヤングら」(1969.5.3~)への出演が後の活躍につながったという。
そのときのディレクターが中西欣一さんだったそうだ。
同じくラジオ大阪、名物ディレクターの都築敏子さんのコメントがあったので一部引用する。

中西さんが、上岡さんにはかなり教え込んでいたと思いますよ。私はタレント・上岡龍太郎の形成に中西欣一さんがひと役買っていると見てるんです。


そして、これもラジオ大阪の人気番組だった「バンザイ歌謡曲」に出演。
やはり、ディレクターは中西さん。
上岡さんのコメントがあるので、これも引用させていただく。

中西さんというのはすごいディレクターでして、何もしないんですよ。ぼくらがラジオでしゃべっていると、D卓で文庫本を読んでいるんです。文庫本を読みながら、ミキサーさんにパッと指でキューを出すだけなんです。こちらを一瞥もしない。本を読んでいるからこちらは何をしてもええのかな、と思うと、ポーンとレコードへいくんです。(中略)「退屈になったらレコードへ行くことにしてんねん」、聞いてんねやね。でね、「本が読めるようではアカン」ちゅうんですワ。


この後、しばらく上岡さんの中西さんの評価話が続く。
興味があるようでしたら、「上岡龍太郎 話芸一代」(戸田学著 青土社刊)を読んであげてください。


私が面白いなと思ったのは、卓の前で本を読んでいる場面。
実は、私も番組収録時(生放送ではしなかった)、その前に書店から届く週刊誌を音楽がかかっている間中読んでいた。
番組内容は事前に構成、台本を入念にチェックしていたので、出演者がそのとおりやってくれていたら、今更何も言うことはない。
FM放送は音楽が占める部分が多く、ヒット曲が中心だとあえて収録時に音をチェックすることもない。
おかしいことがあれば、耳はちゃんと聞いているから気がつく。
で、退屈だから週刊誌を読んでいた、ま、そういうことである。
出演者はガラスの向こうから私を見ていてどう思っただろうか。
ま、それだけ自分の中に遊びがあったというか、精神的余裕がモテたのだろう。(今風にいえば、リダンダンシーということでしょうかね。)


さて、私が取り上げたかったのは、中西ディレクターのこと。
本当に名ディレクターだったのに、ネットの中にもラジオ業界の中にも、その人の名前が出てくることは少なくなった。
とにかく中西欣一という名前をネットの中に残したい、それが私の願いだ。
私が過去に書いたブログを以下に再録しておく。
中西ディレクターへの気持ちが伝われば幸いだ。


中学ぐらいからラジオにはまり始めた私は、ラジオ大阪が一番のお気に入りでした。
「アナウンサー・コーナー」「大阪オールナイト・夜明け迄ご一緒に」「題名のない番組」、いわゆるワンアンドオンリーな番組がキラ星のように輝いていた時代でした。
で、そのラジオ大阪の番組の中で出演者がよく口に出すディレクターの名前がありました。
中西ディレクターとおっしゃいました。
マイクの前には出てこないが、確実に番組をコントロールしている、そんな印象を強く持った次第です。
ああ、放送というのは、出演者だけの力でできているんじゃないんだな、心のどこかで中西ディレクターのようになれればいいな、と思ったりしたわけです。
何がよかったのか?
まず企画力がある。
毎回、面白いことするなあと感心していました。
次に、出演者への統率力がある。
タレントの個性を把握し、能力を把握し、そしてチャレンジ精神を引き出すことに成功している。
今の時代を見抜く眼力がある。
時代のパラダイムを認識している、又今後それがどう変化していくかが動物的にわかる。
人を育てる力がある。
新人を発掘し、場を与え、自然に伸びていけるような環境を用意する。
幅広い知識がある。
リスナーから常に半歩ほど前を歩く努力を日々自分に課している。
時間、空間を把握する力がある。
例えば60分で何ができるか、またこの話を完結させるには何分かかるか、リスナーはこの言葉を聞いてどこまで空間をイメージできるか。
中西ディレクターには、それがあったと今の私は考えています。
私も放送マンになれれば、きっとそんなディレクターを目指したいと思ったりしていました。
私がどこまで中西ディレクターに近づけたのか、今もよくわかりません。
一人立ちした頃、私はある日、中西ディレクターに会いに行くことがありました。
明日は、その話等をしてみましょう。~以上フロムさんの大きなお世話・コミュニティ編「中西ディレクター」より 
次の日は中西ディレクター・2につながります。




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100以上の番組、ライブを中心としたイベント、舞台、映画など、専らクリエイティブな世界に身を置いて30年。
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いつまで続くかは皆さん次第。


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