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FM補完中継局? 中途半端だね~(2)

今のAM局、本当にFM補完中継局を作ってどうするつもりなのだろうか。
同じ内容の放送なのだから、FM波で別に出してもそれで新しく価値が生まれるとも思えない。
AM局のファン以外にFM局のファンもつかめる、そうするとリスナーが増え、スポンサーも取り込めると考えているのだろうか、まさかそんな甘い見通しを立ててはいないだろうが。


で、ちょっと考えてみた、AM局がなぜFM補完中継局をもとうとするのか。
ひとつは、電波は利権という強固な観念だろう。
AM局にとって、今回の中継局を設置するにあたって、国からそれ相当の補助金が出る。
防災費用という国策関連予算である。
つまり、自分たちがさほどリスクを負わないで、FMという電波を独占できるのである。
電波は金になる、しかもFM局の雄、TFMは毎年結構な利益を上げている。
ここを狙えば、十分採算は取れる、多分そう思っているのだろう。
だいぶ前から言われていることだが、JFN加盟の地方局は今のTFMからのネット配分を快く思っていないと。
だから、東京のAMキー局がFMキー局的な機能を持つことによって、地方FM局がJFNから離反するのではないかという話だ。
たしかに大いにありうる。
TFMからのネット配分は、ずっと下がりっぱなしなのは事実だろう。
それ以上の金が新しいキー局から払われるなら、喜んでローカルFM局は新しいネットワークに参加するだろう。
確かにない話ではない、ま、すぐにそうはならないだろうが、水面下で話が進んでいるとしても不思議ではない。


TFMがラジオが全くさえない今の時点でも、毎年結構な利益が出ているのは、ネットワークあればこそである。
TFMに任せれば、全国のFM局に情報(広告)が流れる。
J-WAVEがどれだけ人気だろうと、大阪のFM802が圧倒的な聴取率を獲得しようと、ひとつの窓口で全国を統括できるFMメディアはJFNしかないのだから。(NHK-FMは別だけど)
TFMはネットワークを長いスパンで維持し、それをマーチャンダイジングしてきた、それは涙ぐましい努力だったろう。
でも、その時代もそろそろやばくなってきたわけだ。
東京のAMキー局がTFMの利権を崩そうとしてきている、FM補完中継局という電波を新しく手に入れることによって。


などと書いてみたが、本当にAM局の思うようになるのだろうか。
考えてもみよう、FMのキー局になろうとしたら、今の編成がガタガタになりはしないか。
AM局がFM局になったら、今の編成をどう変えるのだろう。
どう見ても、50歳代以上のリスナーに依拠して営業成績を上げている今の番組編成を変える度胸があるとは思えない。
何しろ、今のラジオ。商売になっているのは午前と午後のワイド番組だけだ。
しかもAMはトーク中心のラジオ。
TBSが平日の夜の時間帯に音楽番組を始めるなんてことが喧伝されていたが、その時間帯は既存のFM局もほとんどスポンサーのつかない時間帯だ。
第一、そんなことをしたら、まだ売れているプロ野球のナイター中継をどうするつもりなのか。
AMがFM電波を新しく持ったとしても、そのための費用を日常的に埋める収入はどこから得るのか。
二つの電波を持って、どうするのか、そのマーケティングをどこまで考えているのだろう。
広告代理店が代わりに考えてくれるとはとても思えないのだが、そのあたり現場の方はどんな会合を今代理店さんと持っておられるのだろう。


AMで働いておられる人たちは疑心暗鬼だろうと先日書いた。
新しい電波を持つことは、何となくいいように思える、それは放送マンのDNAに書き込まれていると言えるかもしれない。
後は、それをどう売るか、FM局が何とか経営出来ているのだから、それ自体も利益を出せるのはそんなに難しい話ではない、そう思っているというか、そんな気分で今の仕事を続けておられるのだろう。
何しろ、今やっていることをそのまま続けるだけで、FM中継局は単なるプラスアルファという認識だろうからだ。


とはいえ、各局には各局の思惑があるだろうし、具体的な方策が機関決定されている局などそれほどあるとは思えない。
とにかく始めたら何となくなるはず、何とかならなくてもそのうちAM送信設備を廃止する許可が得られるようになれば、それはそれで利益は確保できる、そう思っておられる方も少なからずおられるのかもしれない。


ということで、今回も思いつき程度のことを書き連ねた。
もう少し中味のあることを、これから例を上げながら書き続けていこうと思っているが、さてどうなりますか。
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[C87] あるべきより必要なのかが問題

あっと言う間に終わる夏のよう話ですが(笑)。FM,AM以前にネットの波が押し寄せる昨今、いったいナニがしたいのかは放送界全体の問題でしょうね。TVもアメリカからネット配信の黒船がやってきており、2兆円の世界が崩されそうな予感。多様化したニーズに時間軸にそった放送しかできないシステムはどう対応するのか?
一番怖いのは、ユーザーはどっちでも良いと言うことですね。スマホが爆発的普及をした今となっては、電波ラジオにこだわる人は居ないでしょう。
ユーザー置き去りの業界生き残り策などは早晩破綻するのは目に見えてます。
非常時はなどと言っても、人は平時でしか物事考えないですから。
  • 2015-08-30 08:56
  • 自由人
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[C88]

ユーザーはどっちでもいい、その通りだと思います。
それを前提に考えないと、選択を誤るでしょうね。
ユーザーが望んでいるのは何か、それを追求するのが改革者の仕事です。
ラジオにそんな改革的精神を持った人材が果たしてどれだけいるのでしょうか
  • 2015-09-05 01:06
  • from3
  • URL
  • 編集

[C89]

AM局の者ですが、近年のAMでの最大の問題は受信障害、特に都市圏部のです。それが解消されるのは大きなメリットです。FM局でも編成の方はその認識お持ちだと思います

[C90] すべてが手遅れ

携帯の電波が来てさえいればスマホで世界中のコンテンツにアクセスできる時代。スマホならノイズに悩まされることも、放送エリアの縛りもなく、業界のエゴに付き合ってやる必要もない。

ラジオに利点があるとすれば、車でエンジンをかければなにも考えなくとも連動して受信スタートしてくれることくらいですが、それもカーステとスマホの連携をもう少し上手くやってくれるアプリが出てくれば解決してしまう話だと思います。

FM補完はTVの地デジ化と同じで「当然やらなければいけないこと」であって、やったから特段良いことがあるという話ではないと思います。
いまどきAMの音質は論外。せめて10年前、理想は20年前にFMへ移行し始めていればもっと注目されたでしょうが、今となっては。
  • 2015-09-29 00:06
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Author:フロムさん


100以上の番組、ライブを中心としたイベント、舞台、映画など、専らクリエイティブな世界に身を置いて30年。
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せめてはその一部でも書き残そうと試しに作ったブログ。
いつまで続くかは皆さん次第。


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