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聴取率№1~FM802の苦闘

前回はJ-WAVEの3期赤字について、データをいくつか列挙させてもらいました。
ラジオショッピングとかパチンコ産業、宗教などを扱わないということで、今もセレブ感を失っていない、それは大いに評価できることだと私は思っています。
武士は食わねど高楊枝、多少赤字になっても今のスタンスを続けて欲しい、そう願っているリスナーは多いのではないでしょうか。


さて、そのJ-WAVEと双璧をなす西の帝王FM802です。
聴取率№1、大阪で一番聞かれている放送局として、ライバルのFM大阪を売上的にも圧倒的に引き離していたFM局です。
でも、その帝王も、今やラジオショッピングもパチンコ産業も宗教もすべて受け入れざるを得なくなっています。
リスナーからは、やめて欲しいという声が多く寄せられていると聞きますが、もはやお断りするという強い立場をとれる経営状況ではないと言われているようです。
で、この3年間の売上状況を調べてみました。
22年3月期、売上28億、何と2億の赤字計上。
その後、23年3月は25.6億、やはり赤字2億。
24年3月は28.9億、4500万の黒字と発表されています。(以上連合通信より)
連続赤字から、何とか黒字基調に戻したのは立派と言えるのかもしれませんが、それを支えているのが、先ほど書いたラジオショッピング、パチンコ、宗教ということになると、手放しでは称賛できそうにないようです。


大体、FM802の年間売上げって、確か20年頃は44億ほどあったんじゃなかったでしょうか。
それが22年の決算で28億って、どれだけ売上が落ちているんでしょう。
(ちなみに平成19年前後の報告書がネットにアップされていましたので興味のある方は参照してください。)
J-WAVEと比較してみましょう。
ネットにあるデータを見ると、平成19年は63.9億、利益は3.85億だそうです。
平成22年(2010年)3月期決算の売上は55.7億で、純利益は1.56億でしたから、802ほどではありませんが、8億余り減ったことになります。
結局、ラジオという媒体に魅力を感じなくなったクライアントが次々に落ちて行ったということになるのでしょう。例え、リスナーから一番に評価されていたとしても、宣伝費を使うメディアではなくなりつつある証左かもしれません。


FM802に関しては、その音楽業界との結びつきは他局の比ではありませんでした。
レコード会社の方がよく言っていましたが、東京では宣伝費を何局かのラジオ局に使わざるをえないが、大阪はFM802一本でいい、他にもFM局はあるが、とにかくFM802を優先するという姿勢が顕著だったと思います。
もちろん、ジャニーズやAVEX、アイドルはFM802は放送しないという立場を貫いていましたが、いわゆるJ-POP系のアーチスト全盛の時代、ミリオン続出のアーチストをうまく取り込むことにより、CD売上額に連動するような売上を確保していたといわれています。
802のヘビーローテーションに乗せれば売れる、そんな風評が生まれ、争って802にレコード会社が売り込むといういい時代もあったのです。


しかし、もはやそんな潤沢な金はレコード会社にはありません。
新曲の発売スポットは激減しました、ほとんど聞くこともなくなったのではないでしょうか。
アーチストのライブ告知スポットは今もしょっちゅう流れていますが、利益額は比べるべくもありません。
とにかく、レコード会社からの出稿がなくなった、それが44億→28億へと売上が落ちた重要なファクターであると私は思っています。


さて、これからFM802はどうなるでしょうか。
最新の情報は次の通りです。(連合通信12/7)

営業収入16億円、経常損失42百万円、純損失46百万円=FM802、平成25年3月期中間決算


詳しく言えば、16億76百万円(前年同期比133・5%)、営業損失50百万円、経常損失42百万円、中間純損失46百万円だそうです。
また赤字に戻ってしまったみたいですね。
売上の133.5%は、ご存知の通り、FMcocoloの売上が加味された数字です。
cocoloの売上は年間4.6億と言われていましたので、その半分2.3億がオンされたとして、802の正味の売上は14.46億ということになります。
そうですね、昨年とほぼ同じみたいですね、それでいて赤字額が増えている、多分cocoloの吸収に伴う費用が発生したのでしょう。
FMcocoloには、本当に稼いでもらわないといけないですね、赤字の元凶になったのでは立つ瀬がありませんから。


結論ということではありませんが、FM802の今後は相当しんどい気がします。
とてつもなく売上げが伸びる要素、今の放送の中には感じられないというのが私の意見です。
そういえば、FM大阪も開局20周年を越えたあたりから自然な伸び代がなくなりはじめ、革新的な方針を立てられないまま、長期に経営環境が悪化して行ったような気がします。
FM802も、開局20年を過ぎ、伸び代を失い始めているというのが事実なのではないでしょうか。
違う道を歩んでいたはずが、いつのまにか先人の道を辿ってしまっているとでもいいますか。
商売の難しさ、流れに乗るだけでは続かない、多分そういうことなのでしょうね。


とはいえ、1局2波体制にチャレンジして停滞を脱しようとしているFM802、その姿勢は大いに評価したいですし、今後も関西の文化のために貢献していってほしいと説に願う次第です。
何しろ、私の古巣局は、その願いに対応する雰囲気をまるで失っていますから。




<追記>
J-WAVE決算値ですが、12/14の合同通信に「売上23億強97・3%・営損1・7億円 J-WAVE、スポット80・9%・純損1億強 」とありました。これは、相当な落込みですね、ちょっとビックリです。
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