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radiko ~破壊的イノベーション

今日の朝日新聞朝刊のコラム「経済気象台」は「破壊的イノベーション」を話題にしていた。

米国の著名な経営学者クレイトン・クリステンセン氏は、イノベーションには2種類あると言っている。一つは通常の持続的なもので、もう一つはこれまでの産業を覆すような破壊的なものである。


日本では、変化を嫌悪する組織の力が強烈なため、破壊的なイノベーションが抑圧されているとこのコラムは書くのだが、それが結局停滞を産むのだとも指摘している。
ここでは、その例として、原子力村のために新エネルギーへの投資ができなかったこと、医療業界でネット販売を阻止しようとすること、ウィニー事件のためソフト開発が停滞したことなどをあげ、「既得権を持つ業界の無言・有言の圧力に、秩序維持を目的とした法執行機関が敏感に反応し、社会の進歩を阻止してしまう」とも書かれている。
アメリカでは、破壊的イノベーションが経済を成長させているのに、日本はそれを許さないため衰退はますます加速するのだという。


わがラジオ業界でも同じような状態が生まれている。
せっかくradikoという新しいツールがラジオを活性化させる契機を与えようとしているのに、ラジオ局側はそれを抑制的にしか使おうとしない。
ラジオは県域で免許が下りている。
ネットも同じようにしろ、などという要求はイノベーションを拒否しているとしか思えない。
時代を進めさせる力は破壊的イノベーションにありという考え方は、インターネットによるIT革命によって否定することは難しくなったようだ。
今のままであり続けるためには、変わらないといけない、それも劇的に。
だが、ラジオ業界はそれに抗う。
ソフトランディング以外は認めない、今のままを前提に、新しい技術をそれに合わせるべきだと。


radikoは持てる力を発揮できる場を奪われ、ただサイマル放送のツールとしてのみ存在を許されているかのようだ。
音質がよければ使命は事足れりというのが、業界のコンセンサスなのだろうか。
radikoのユーザー側のメリットは音質だけではない。
それがデジタルであるがゆえに、ハンドリングがしやすくなるということがずっと重要なのである。
番組の録音、音楽のダビング、情報の検索など、デジタル化されたものを核とした利便性は格段に上がるはずである。
要は、そういうサービスを提供する気持ちがラジオ局側にあるかどうか。
ラジオがただradikoになっただけでは、今までラジオのユーザーでなかった層を新しいユーザーにすることはできない。


radikoはラジオ2.0と考えるべきだと私はこれまでにも指摘してきた。
ある意味、破壊的イノベーションのツールとしてradikoは機能すべきなのだと私は思う。
ほっておいたら、衰退するしか未来のないラジオである。
少々破壊的であっても、その未来をradikoの自由使用に託すべきだと私は思うのだが、いかがだろうか。


radikoの話は、今回はこれぐらいにして、今日の日経ビジネスに掲載されていた「NOTTVはテレビ村の掟を捨てられるか」という橘川幸夫さんのコラムにも注目してみた。
NOTTV,前にも書いたが、NTTdocomoが領導するVHF帯のhighバンドを使ったマルチメディア放送である。
日経ビジネスとしては、クライアントでもあるNOTTVをぼろかすに言うわけにもいかないので、適当に言葉を濁しているが、早い話、今のままではNOTTVは失敗しかねないというのが結論のように聞こえる内容だ。

評判は散々である。「モニター当たったけど、つながらない」「コンテンツが貧弱すぎる」。ネットには不満があふれていて、相当きついスタートをしたようである。


多分、状況はradikoと同じということかもしれない。
破壊的イノベーションを内包しない状況では、新しいビジネスモデルを作ることはできないという指摘なのである。
ハイライトは次の部分だ。

しかし、AKB48とプロ野球を番組編成の中心に置いてしまうような旧式テレビ業界の発想は、いくら資金を投入しても解決できる問題ではない。根本的なところで「テレビとは何か」「インターネットとは何か」「インターネット時代のテレビとは何か」という問いかけからスタートしない限り、旧来のメディアの二番煎じか、予備軍にしかならない。


確かにこう言い換えても通用するだろう。
「ラジオとは何か」「インターネットとは何か」「インターネット時代のラジオとは何か」という問いかけからスタートしない限り、旧来のメディアの二番煎じか、予備軍にしかならない。
いずこも同じ秋のゆふぐれなのである。
同病相哀れむかな。
長くなるので、この続きは又次回。



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