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10年前のブログより~名前だけのプロデューサー

久しぶりに過去のブログを紹介する。
今から10年前に書いたものだが、状況があまり変わっていないのに少し驚く。
10年前で昨年度比70%などとあるのだが、それからずっと下がりっぱなしというのもすごい。
よくそれで会社が生き延びられているものだ。
10年前のラジオ広告費、調べると1837億円、前年度比91.9%。
ちなみに、最新(2011年)の売上1247億円。
10年ほどで590億円がラジオ業界から消えた。
そりゃ、色んなところで無理が出てくるのは仕方がないことだよね。


では、過去のブログから名前だけのプロデューサーを揶揄したお粗末の一席をお楽しみくだされ。

2002-6-21 23:51
ある放送局の話。
最近の不況がもろに経営を直撃。
昨年度比、70%という惨状に危機感を抱いたある役員、「おまえらには任しておけない、私がプロデューサーをやる」と宣言。
制作会社を集め、若い層に支持されるような番組の企画書を出せと訓示、すべては私が差配する、制作費はそれ相応に出すと。


制作会社も苦しいことに変わりはない。
制作費はそれ相応に出すと言われれば、当然のことだがどんどん企画書が集まってくる。
それ見ろ、俺が言えばこれだけ企画書が集まるのだと高らかに現場に宣言するのだが、そのほとんどが箸にも棒にもかからないような企画ばかり。
困ったにわかプロデューサー、改編期も迫るのでその中からまだましな企画を仕方なしに採用。
大々的に改編プランを打ち出すも、市場はほとんど反応なし。
リスナーは、「これなら前の番組の方がましだ、二度と聞かない。」と悪評ぷんぷん。
孤立する役員のにわかプロデューサー。
現場に、お前らが悪い、何故もっと俺に協力しない!とやつあたりする今日この頃。


だいたい放送プロデューサーという存在をなめているとしか思えない経営者が多すぎないか?
私がいた放送局、社員を処遇すると称して、当時はやりの専門職制度を導入したことがある。
ラインのヘッドにはできないが、高級なスタッフとして処遇するというのが専門職。
早い話、人をまとめる力もリーダーシップもない社員を、何らかの役職につけないと士気が落ちるだろうというので作った制度だ。
役職名がプロデューサーだった。
私は当時まだ20代の花形(?)ディレクター。
プロデューサーにリーダーシップのない奴置いてどないすんねん、と思い切り悪態をついていた。


あのな、プロデューサーいうのは、名目やないねん。
人脈、見識、業界の知識、世間の風を常に意識している感受性、そういうものを備えてこそのプロデューサーやろ。
ディレクターの育成、責任者としての仕切り上手、金勘定の確かさ、そして何にもまして人への愛情。
プロデューサーというのは、そういう専門的な見識を持ってこそ、プロデューサーやないか。
ラインとしての能力がないから、プロデューサー?
アホ抜かせ!プロデューサーという名を汚すな、言葉の使い方も知らんのか、このぼけ経営者!


しばらくしてから、そのぼけ経営者は、悪態をつき続ける私に言った。


「お前、明日から営業じゃ、その鼻をいっぺんへし折られて来い。」


嘘のような、本当のような、やっぱり嘘のような話でした。


最初にとりあげた役員は、やっぱりボケ経営者の一人と言うことになる。
何の経験もない奴にプロデューサーなどできはしない。
プロデューサーが、あたかも人の上でふんぞリ返っていられる役職だと思う人がいたら、それは大きな誤りだ。
本当のプロデューサーは縁の下の力持ちに近い存在である。
確かに、パーティだとか、どこかの会合等で挨拶していたり、いわゆる業界のえらいさんと名刺交換等したりするので、さもどこぞの役員のように祭り上げられているように思っているかもしれないが、本当のプロデューサーの仕事はそんなところには本来ない。


日本テレビの今をときめく土屋プロデューサー(進め!電波少年担当)にしても、元フジテレビの横澤プロデューサーにしても、普段はマスコミで騒がれている程はチャラチャラしていないはずだ。
そんな態度では、あれだけの番組は作れない。
電波少年の類いの番組は私はあざとくて大嫌いだが、ああいった番組を企画し、そして全く相手にされない数字しかとれない時代を経て、今の成功を勝ち得るまでにどれだけの修羅場があったか、それは誰もなかなか知ることはないだろうと思われる。


人は、たいてい結果しか見ない。
プロデューサーにとって、結果は次のステップでしかない。
仕事はいつもプロセスなのだ。
それをわからない人に、プロデューサーはできない。


おい、あほ役員よ。
お前にプロセスが本当にイメージできるのかよ!?


色んな放送局の人と意見を交わしていると、この業界の閉塞感がひしひしと伝わってくる、昔はそれでもよかったのだろう、でもそんな時代は、もう終りなのだ・・・


さて、この欄で出てきた、あほ役員って誰のことだったのだろう。
今では、全く思い出せない。
私も被害にあったのかもしれないが、何も覚えていないというのは、我ながら面白かったりする。


今のラジオが劣化しているとしたら、それは専門職の劣化以外に考えられない。
プロデューサー、ディレクター、多分、売上減のしわ寄せは、そういう専門家の切り捨てという形で顕現化しているのではないか。
名物ディレクター、名物プロデューサー、どこのラジオ局にも必ず何人かおられたはずなのだが、今はそんな評判を聞かない。
前に取り上げたと思うが、TBSラジオの「dig!」、鳥山プロデューサーと言う人がいて、なかなか鋭い人だなと思っていたのに、今年の4月に人事異動。
報道におられるらしいのだが、TBS何を考えているのだと思ってしまう。
会社的には、もっと違う部署を経験してもらい、将来的には幹部にと思っているのかもしれないが、今ラジオはそれどころではないはず。
プロデューサーとして、もっと活躍できたのではないか、そんなジェネラリストが重視された時代じゃないよ、少なくともラジオの世界では、と。
ま、TBSはテレビもネットも不動産もあるから、ラジオなんか、考えたらどうでもいいのかもしれない。
吹けば飛ぶよなラジオの駒なんか軽い軽い~かなあ。



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100以上の番組、ライブを中心としたイベント、舞台、映画など、専らクリエイティブな世界に身を置いて30年。
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