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テレビ的ラジオなどいらない

ラジオに映像は必要か、それを正面から問いかけるラジオ局はない。
見えるラジオという言葉が喧伝され端末が発売された、その時にはある人たちは言った。
「これからはラジオも見えないといけない。」
そんなこと、リスナーは要望しただろうか。
「Video killed the radio Star」、往年のバグルスのヒット曲。
だからといって、ラジオスターがテレビによって駆逐されることはなかった。
ラジオはテレビとは違う世界で広がっていくことができるメディアだったからだ。


ラジオが見える必要はないのではないか、それよりももっと本質的なものがリスナーの心に刺さっていたのではないか。
その一つがサブカルチャーで、小世界を作れるメディアだということだ。
その自覚がラジオにあれば、ラジオの世界はテレビとは差別化されるはずだ。
何故にテレビに寄り添おうとするのか。
広告代理店がそうしろと言ったのか?


ラジオショッピングをやれと言ったのも広告代理店。
レスポンス広告をやれと言ったのも広告代理店。
パチンコのスポットを流せ、法律事務所のスポットを流せと言ったのも広告代理店。
いい加減、自発的に自分たちのマーケットを開拓しろよと言いたくなるが、それを受け入れてくれる経営者がいない。
私の話を聞いてやろうというラジオ局の社長、一体存在するものだろうか。


話を戻す、ラジオはテレビのような存在であるべきだろうか。
DRPの試験放送、皆さんはどう思っただろう。
あれは一部テレビのようなラジオだった。
スタジオにカメラが持ち込まれ、DJはカメラに向かって話をしていた。
あれは、ラジオか?
リスナーが望む形だったのか。
いや、元々そんなウォンツがリスナーにあったのか。
ラジオの供給者側に思い違いはなかったか。


私は、しばらくデジタルラジオに興味を持ち、マルチメディア・フォーラムの会員になっていたりしたのだが、途中でこれはダメだと思った。
ここには発想がない。
イノベーションは少数派の中からしか生まれないとういう自覚がない。
時の権力におもねったり、金を持っている勢力に寄りそうだけでは何の革新も生まれない。
なのに、ラジオ関係者は少数派を軽視し、力のあるもの、多数派を形成するものにすべてを委ねてしまった。
今のままでは、イノベーションは起こらない。
もっと新しい勢力、新しい発想をもった若い人材にメディアを提供しない限り、古いものが新しい衣装を着て現れてくるだけだ。
誰のニーズにも合わない、誰のウォンツにも従わない、ただ古いだけのファッション、そんなラジオに誰が何を望もうか。


繰り返す、テレビ的なラジオが今必要だと思っているなら、それは大いなる勘違いだ。
そんなニーズはどこにもない、ラジオの本質はそんなところにはない。
テレビではない何か、それがラジオなのだ。
私はその一つにあげたのが、サブカルチャーに支えられるラジオというメディア。
テレビの補完になれば、そんなものは要らないといつか言われるだろう。
ラジオはもっと積極的に主張できる何かがあるはず。
それを何故探そうとしないのか、ラジオの経営者の皆さんに問いただしたいぐらいである。





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100以上の番組、ライブを中心としたイベント、舞台、映画など、専らクリエイティブな世界に身を置いて30年。
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