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シリーズ ラジオの売り方(11)~経営者の質を問う

ラジオの売り方の11回目、今回は経営者、すなわちラジオ局の社長の質を問うという形で話をすすめたいと思います。

私が愛読させていただいているメルマガに、村上龍さん編集ののJMM [Japan Mail Media]というのがあります。
5/6発行分の中で、経済評論家の津田栄さんが衰退する企業の話をしておられるのですが、それがラジオ局にも適用できる気がしましたので、まずそれを引用してみたいと思います。

停滞、あるいは衰退しようとしている企業は、自ら抱えている問題が見えていないか、その問題が見えたとしてもそれを解決できないために、停滞もしくは衰退に直面しているのではないでしょうか。
(中略)
停滞あるいは衰退しようとしている企業の根本的な問題はどこにあるかと言えば、人にあるといえます。
すなわち、企業の社長などのトップをはじめとする経営陣にあるといえます。
なぜかと言えば、彼らは、往々にして、既存のものを維持し、守ろうとするためです。

さて、ラジオ局の経営者をここに当てはめてみましょう。
はたして今のラジオの問題点が見えておられるのでしょうか。
何故ラジオの売上が毎年落ちているのか、それが再び上向くことは可能なのかどうか、それに視点をあわせて今後の経営方針を語る社長がどれほどおられると思われますか。


津田氏は、「彼らは往々にして、既存のものを維持し守ろうとする」と書いておられます。
自分が社長になれたのは、既存の権威にのっかってきたからだ、その権威は守らないといけないとまず思われるのでしょう。
自分の出自は切れない、これが派閥や株主などの意向の上に乗っかったものであれば、尚更、前任者の方針を否定することは難しい、まずそんなところでしょう。
ラジオ局、経営者になるような人は、あまりとんがっていません。
いわゆるイノベータータイプではなく、極力マイナス点をつけられないように努力してきた人達が多そうです。
少しとんがっているかなと思うタイプは、大株主のぼんぼん。
目立つために何か色々手を出そうとしますが、周囲の番頭さんの監視の下にあるので、本質的な改革などには手をつけられず、言うならばオモチャ遊びの類の非生産的事業に金を使って自分の首を絞めたりしているようです。


たまに、何かやってくれそうに見える人材を別のところから連れてきて、社長の座につける例もありますが、正直、滅茶苦茶優秀な人は今のラジオ業界にはやってきません。
よそから来て、社長をやれといわれても、できることは今までやってきたことを少し改良するぐらいが関の山。
職人的気質の人が多いラジオ業界ですから、その気質に無頓着な人が改革をしようと思っても、厚い岩盤に跳ね返されるでしょう。
しかも業界は右肩下がり、その症状から病因に気づく能力を持つ人がそうそう見つかるはずもないのが現実ではないでしょうか。
津田氏はこう続けます。

成功している企業の多くは、トップの社長をはじめとする経営陣が、常に新しい価値を創造するために変化に挑戦し、改革を進めているのですから、それを参考にして、そのような経営陣に交代すればいいのです。
(中略)
現状は、現経営陣が言い訳をして、自分の地位から降りて改革に積極的で新しい価値を創造しようとする人たちに経営をまかせようとしないために、停滞や衰退から抜け出せないのです。

「新しい価値を創造し改革を進める」と言うのは簡単ですが、例えばラジオ業界ではそれが何を指すのか。
そんな類の話、社内の会議で誰か提起されていますか?
今年度、うちはこういう方針で経営する、そのための方策を各自考えてほしい、などという指示、ラジオ局の社長さんお出しになっていますか。
「今までのラジオの売り方では、限界があるのはもはや自明だ。私はラジオをこういうものに作り変える、その点で異論があるなら忌憚なく聞かせてくれ。別のプランがあるなら、提起してほしい。予算が必要ならそれも付記してくれ。とにかく、新しいビジネスモデルを考えないとラジオは持たない、私はそう信じている。みんなの意見はどうだ。」
これぐらいのことを言われたら、ちょっとは心が揺らがないでしょうか。
ああ、この人は本気で会社を何とかしようとしている、ラジオをもう一度復権させようとしている。
まるで今はやりの韓流の時代ドラマみたいに。
側近の重鎮が若き王の言葉を何とか握りつぶして、従来どおりの自分たちの既得権力を守ろうとするだろうが、はたして若い世代はそれにどう対決し、新しい社会をどう作っていくか。
それこそがイノベーターたちの夢、希望だと私は思うのです、苔のはえたラジオの売り方に固執する連中を駆逐することによって。


でも、ある人に言わせれば、今の若者、そんなことに夢も希望も見出してはいないらしいですね。
如何に、自分を今の社会状況に順応させるしか考えていないとか。
「何故、こんな安月給で働かされている私たちが、そんなことまで考えないといけないのですか。」という反論が返ってくるかもしれません。
私なんか、信じられませんけど。


だからでしょうか、今の経営者の人は投げやりにこういいます。
「新しい価値を創造できる奴と代われ?そんな人材がどこにいる。そりゃ、そんな積極的に会社を変えていこうという社員がいるなら、いつだって代わってやる、だけど、そんなのおりゃせんよ、結局おれが社員の尻拭いをせにゃならんのだ。世の中、そんなきれいごとは通らんのだよ。」
上がだめなら下もだめ・・・・。
また、そうだから業界は衰退して行っているのだということです。
新しいラジオの売り方はこうではないでしょうかと、私がこの欄に何度書いても、根本的な部分で社長の心には届かないのかもしれません。
ラジオ局の社長の皆さん、無理は言いませんから、少し最先端な知識に接する機会を増やされてはいかがでしょう。
そこにいて、同じ取り巻き、同じ業界人と評定を繰り返していても、落ちていくエネルギーを止めることはできません。
それを止めるために、どれだけの体力、知力、能力がいるか、少し想像してみることをお勧めしたいと思います。
以上、フロムさんの大きなお世話でした。




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