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シリーズ ラジオの生きる道(19)~ネットワークとFM大阪・2

全国ネットの番組、テレビと違ってFM局は共同提供というのがあまりありません。
本当はテレビも一社提供が普通だった時代もあったのですが、ネット局が増え、電波料も上がりということになり、今では共同提供というのが当たり前になりました。
早い話、広告代理店の力が大きくなり、枠の買い切りが常態化して今のようになったのでしょう。
ラジオで共同提供が増えないのは、提供料がそれほど大きくないことと、番組自体をクライアントのイメージ(ニーズ)に合わせることが必要条件だからではないでしょうか。
共同提供じゃ、わざわざクライアントは番組への出稿に応じてくれない。
そりゃ、制作費も引き受けないといけないわけですから、わざわざ番組の共同提供に応じる必然性を感じないのかもしれません。


FMでの全国ネット番組、かつてはキラ星のごとくナショナルスポンサーの名前が連なっていました。
AV機器のメーカーは、会社名以外にそれぞれブランドを作って番組提供をしていました。
松下はテクニクス、日立はローディ、シャープはオプトニカ、サンヨーはオットー、東芝はオーレックス、三菱はダイアトーン、コロンビアはデンオンというように。
これにソニーがあり、ビクターがあり、NECがあり、トリオがあり、サンスイがあり、大阪ではオンキョーなどもありました。
ついでにいうとティアック、アカイ、アイワもありましたし、カセットメーカーとしてTDK、マクセル、フジフィルムのAXIA、太陽誘電のThat'sなどもあり、クライアントには事欠かなかったと思われます。
これにFM雑誌も番組提供、特にFMレコパルの「レコパル音の仲間たち」、FMステーションの「マイ・サウンド・グラフィティ」は今も覚えている方が多いでしょう。
後、若者を対象にした飲料メーカー、コカコーラ、サントリー、アサヒ、キリン、サッポロなど、車メーカーはトヨタ、日産、ホンダをはじめ、自家用車メーカーのほとんど、とにかく出稿を望まれるクライアントをはめていけば、確実に時間が足らないという状況でした。
つまり、FM局のネットというのは、これぐらいの分厚いクライアント層がいてこそのものだったと思うのです。


今、FM局全国ネットのクライアント層、随分薄くなったと思いませんか。
有名アーチストの番組、例えばユーミン、例えば桑田佳祐、例えば山下達郎、EXILEに木村拓哉、名前がでかいからといって、簡単にクライアントはついてくれなくなりました。
正直、この時代によくネットワーク番組を維持できていると思いますよ。
日産自動車の「あ、安部礼司」とか、サントリーの「サタデーウェイティングバー」とか、本当にいい番組で、企画の勝利という感じですものね。
問題は、この状況がいつまで続くのか、なんです。
とにかく、昔のように「後に続くクライアント」の姿が見えない、言うならば先が見通せないのですから、これからどうなるかなど、当事者にもまるでわからないというのが本当ではないかと拝察する次第。


FM大阪は、結局のところ、そのネットワークにある意味ぶらさがっているわけで、自分で維持していないというか、ハンドリングできない部分なので、ただ不安げに見守るしかないんじゃないでしょうか。
ネット番組といっても、スポンサーがついていない、いわゆる白ネット番組が増えれば増えるほど、売上は減っていきます。
全体の経費や制作費を落とせば、利益は出るかもしれませんが、それは下方スパイラルの局面です。
つまり縮小再生産、いくら利益が出ても、そのビジネスモデルには未来がありません。


必要なことはビジネスモデルの再構築、その時にネットワークはどんな貢献をしてくれるのかということです。
ネットワークごと、新モデルに移行するのか、それともスポンサーを介したネットワーク体制そのものをやめてしまうのか。
キー局であるFM東京に全国の系列局から期待されている課題、なかなか厄介なものがあるのではないかと思われます。






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[C21] サントリーサタデーウェイティングバー

昨年の4月からサントリーの一社提供ではなくなり、住友林業が最後の5分の提供につくという共同提供になりました。リスナーからの批判はいろいろあっても、番組継続してなんぼです。おっしゃるような傾向はまだまだ続くでしょう。開局当時の東京何するものぞという、COME ON POPSやBEAT ON PLAZA、落語、ミュージックソンなど進取の精神に期待します。当時のアナデューサーという肩書きは、ある種今っぽいですよね。
  • 2012-07-16 01:16
  • 入江たのし
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  • 編集

[C22] 貴重なご意見

ラジオの番組はとにかく続けることが重要ですね。何しろ、聞くことを習慣にしてもらわないといけないのですから、改編期にコロコロ変えるなんて愚の骨頂。と私は思うのですが、クライアントの意向というか代理店の都合というか、リスナー無視の改編が毎回なされています。これでラジオ離れしないほうがおかしくないですかね。入江さんは関西出身の方ですから、そのあたりよくお分かりだと思います。サタデーウェイティングバー、これからも楽しませてください。
  • 2012-07-16 02:24
  • from3
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100以上の番組、ライブを中心としたイベント、舞台、映画など、専らクリエイティブな世界に身を置いて30年。
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いつまで続くかは皆さん次第。


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