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シリーズ ラジオの生きる道(15)~FM802の行方・2

FMCocoloを吸収し、1局2波体制をとったFM802、この選択にラジオの生きる道があるのかどうか、今日はそんな話をしてみたいと思います。
私の考えはシンプルです、同じようなものを2つ持つことで、何か可能性が生まれるのかどうか、多分無理なのではと。
同じものでなければいいのです、テレビとラジオとか、携帯電話のような通信サービスとラジオとか。
ラジオとラジオで何ができるのか、その例はNHKとラジオたんぱ(現ラジオNIKKEI)ぐらいしか思いつきません。
しかも、この2つの例、商業放送として成功した例にするのは無理でしょう。
NHKの場合は、一般の放送と教育放送。
ラジオたんぱの場合は、株式市況と競馬中継、それに医療関係の専門的情報などですが、最近は2つの放送で同一内容(サイマル放送)を流していることが多いようです。
早い話、別の番組を流すのがきつくなっている、そんな状況ではないかと推測されます。


802とCocoloの番組、昨日も書きましたが、かたや45歳以下、かたや以上という風に分け、それに合った番組内容を考えるという選択をされています。
何か中途半端だなと思うのです。
NHKのように、一般放送と教育放送ぐらいの分け方をすれば、誰が聞いてもすぐにわかります。
また、それに合わせた見せ方ができるでしょう。
でも、45歳で分けたところで、どんな見せ方が可能なのでしょう。
802は邦楽しかかけない、Cocoloは洋楽オンリーと言った方が、まだビジュアル的イメージがわきます。
でも、そんなことをすれば、従来の802のリスナーを半分にするだけかもしれません。
2つの局を持つシナジー効果、いずれにせよ今のところ生かされているとは思えない。
45歳を境に二つにわけたAとBが、相互にどんな生産的な影響を与えることができるのでしょう。


すでにどちらかが圧倒的な市場占有力を持ち、それを片方が補完するという形をとるなら意味があるかもしれません。
しかし、今やFM802は圧倒的な市場占有力を持ってはいません。


FM802が一時期驚異的に業績を伸ばした理由を考えてみましょう。
まず、若者を中心に従来のFMに飽き足らない層が存在したこと。
そして、音楽業界、広告業界にも既存のFM局の編成が固定化し、新しい市場が作れない(自分たちの創意工夫が満たされる番組が作れない)という不満があったことなどがあげられます。
802はそういった状況を把握しながら、そこから生み出される上昇気流にうまく乗ったということです。


802が最初に始めたステッカー・キャンペーン。
大阪の車のほとんどに、802のステッカーが貼られるほど、このキャンペーンは大当たりしたといいます。
きわめてアメリカ的なPR手法なのですが、それをアイデア一発で始めた802に、これから何としても伸びるんだという強いエネルギーを感じたものでした。
そして、これまたアメリカのTOP40フォーマットのラジオ局では常識だったヘビーローテーションの採用。
つまり、一日放送の中でおおよそかける曲を決めておき、その中で何回もローテーションでかけるというもので、ヒット曲を生み出す局という位置づけが可能になる方法論だったと思います。
音楽業界ー広告業界ー若者というトライアングルが、スパイラル的に上昇する、それが802の成功を導いて行った、私はそう考えています。


そして、開局以来20年が過ぎ、上昇気流に乗った時代は終わりを告げました。
音楽業界は、ご承知のとおり、CDの売上減とともに、年とともにシュリンクしています。
広告業界は、もはやラジオ単体にはさほど興味を示さなくなりました。
ラジオで何かをしようという仕掛け人は減る一方、いや未来への仕掛け人を養うポテンシャルはもはやラジオ業界からはなくなったと言ったほうが正確かもしれません。
そして、最後の若者、これもラジオの世界からは日々隔絶しはじめています。
過去のビジネスモデルの終焉です。
802の成功体験を元に、FMCocoloを立て直そうというのがそもそもの間違いではないか、私はそう思うのですが、皆さんはいかがでしょうか。


2年前にFM802は2億という赤字を出しました。
その一番の理由は、音楽業界の衰退と軌を一にしています。
レコード会社のCD売上不振による販売促進費の大幅な減少が、FM802の売上減、大幅赤字の原因なのだと思います。
音楽業界と不即不離で売上を伸ばしてきたFM802、それが得られなくなったゆえ、禁断のラジオショッピングに手を伸ばさざるを得なかったのではないでしょうか。
では、Cocoloの獲得は何を802にもたらすのか。
45歳での分割はあまりにも矮小過ぎましょう。


とはいえ、1局2波体制は既に始まっています。
今更、後に戻ることはできないのですから、その危機感は私どもの思う以上のものがありましょう。
これから何が提起されるのか、それは新しいラジオの生きる道になるのか、もしそれが成功したとするのなら、他のラジオ局にもこの苦難の時代を克服するいいきっかけになるかもしれません。
FM大阪も、他の近畿のFM局を吸収するという噂話をチラホラ聞きます。
今回あまり好い話を書けなかった私ですが、前にも書いたとおり、FMCocoloが新しいラジオの可能性に目覚めることを心から期待していることは強調しておきたいと思います。


さて、次回ですが、私の古巣、FM大阪の現状について考えてみるつもりです。
皆さんのご意見やご質問などあれば、コメントでも私へのメールでもいただければ幸甚です。
よろしくお願いします。



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