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シリーズ ラジオの生きる道(14)~FM802の行方

この4月からのラジオ業界の話題は、何といっても大阪のFM802がFMcocoloを吸収し、1局2波体制を作ったことでしょう。
2つも電波を独占できるのですから、さぞ前途洋洋だろうという考え方はもはや通用しないと言われています。
大阪の1つのラジオ電波を、ついこの間までは業界みんなで取り合っていたというのに、いとも簡単に電波継承を認める。
もう、ラジオの電波は要らない、多分儲からないという認識なのでしょうか。


確かに、関西で一番人気と言われていたFM802が大赤字を出す時代です。
放送局の免許を認可され、放送を始めれば苦も無く儲かるなんて期待を持つ人は今やいないでしょう。
さて、FM802、2つのFM電波を持ってこれからどう経営していくつもりでしょうか。
2つの利権を得ているのだから、さぞかし万々歳ではと言う人もいるのですが、利権なんて果たして2つも必要ですかね。
二兎を追うもの一兎をも得ずといいます。
すべて二重に必要なのですから、頭の中がややこしくなるだけではないかとも思うのです。
つまりシンプルだったものが、複雑系になるわけですから、従来のような考え方が通用しなくなります。


45歳までは802、それ以上はCocoloという分け方は凄く雑誌的で面白いのですが、先日も書きましたがそんなマーケットありますか?という話です。
雑誌ならありなのですよ、幼い時は「めばえ」に「よいこ」、「小学1年生~6年生」「中学コース」に「高校コース」、「セブンティーン」に「ヴァンサンカン」、こういう分け方をした方が、「ああ、これ私の為に作ってくれた本だ」とユーザーが勝手に思って買ってくれるわけです。
こういう差別化は市場を活性化させます。
しかし、ラジオはどうでしょう。
「ああ、これ私のために流してくれているんだ」と思って、24時間つきあってくれますか?
そうなのです、ラジオというのは一日つきあってもらわないといけないのです、リスナーはその時間その時間変わったとしても。
こちらから、ある年齢以上のための放送局といっても、対応するマーケットがないというか、クライアントにその認識がないのです。


45歳以上を対象にするラジオって、じゃ、何を放送するのでしょうか。
80年代以前のヒット曲を流す~なるほどね、現在はそういう選曲をされていますね。
話題は、45歳以上限定?続かないでしょ、そんな構成してたら金かかりますよ。
で、45歳以上が聞きたくなるようなラジオ、他にないのですか?
違いますよね、ほかのAM局の午前、午後帯なんか、もろリスナーがかぶってしまいます。
しかも、ラジオで一番金になる時間帯ですよ、年配の方々を対象に、Am局は微に入り細にわたって語りかけています。
音楽だけで勝てるかどうか、ま、そういう層がいることは否定できませんが、商売になるほどのボリュームをつかめるかどうかです。


アメリカならあるんですよね、マーケットが。
オールディーズを一日かけている局、それを車の中、オフィス、飲食店で漫然と聞いている人、多そうです。
でも、日本でそういうポジティブな情景をイメージできますか。
今のFMCocoloを聞いている人を対象に、どういうマーケットが期待できますか?
元々は外国語放送だったんですよね、日本にいる外国の人を対象に放送をしていたんですよね。
まだそういう層を対象にクライアントを探した方が、別の可能性があるのじゃないですか。
アジアの時代といわれ、韓流がこんなに日本を覆い、中国からのお客さんも増えている。
広告代理店にただ頼ることしか考えてこなかった放送業界と、私は何度も繰り返してきました。
ラジオのビジネスモデルを作ったのは放送局じゃない、広告代理店だと。
なら、もっと代理店と話をしながら地道にマーケットを考えるべきだったと思うのですよ。


FM802の方は、自分たちは独力でナンバー1ステーションを作ることができた。
だから、Cocoloだって、自分たちがやれば、成功するんだと思われているのではなかったでしょうか。
私は、確かに802の方々の努力は認めます、誰だってできることではありませんでした。
でも、中味は違いこそすれ、伸び盛りの業界には同じような形での成功はあるのです。
私の古巣のFM大阪だって、一時は大変なにぎわいでした。
多くの若者から支持され、FM大阪があったから今の私があるという人も多くおられます。
一時期のFM横浜、広告代理店からも音楽業界からも大歓迎の中、一世を風靡するような番組を流していました。
FM東京に飽き足らない人が大勢いたからです。
つまり、飢えていた人たちがいた、それはFM大阪に飽き足らない人がいたからFM802があっという間に聴取率ナンバー1になったのと同じ理由です。


今の状態に飽き足らない人がいる、その人たちへの私たちの回答がこれです!とFMCocoloを提起されるなら、まだ可能性もありましょう。
しかし、どこにそんな「飽き足らない」人がいるのですか?
45歳で線を引いて、番組内容を考えるというのは、なかなかいい着眼点だと私も思います。
でも、それは頭の中だけの話。
そこに45歳の飢えはありません。
そんな線を引いてくれと言う声はどこからも聞こえてこない。
まだ、リスナーはそれほど多くなかったとしても、前のCocoloの方が面白かったという声の方が大きいでしょう。


企業寿命30年説というのがあります。
「多くの企業は30年ぐらいの寿命しかないと言われている。30年経てばどんな優良企業でも企業としては赤字経営に陥っているという。」という考えです。
会社が生まれて最初の10年間は右肩上がり、次の10年間は円熟期、最後の10年は次第に衰退していく期間ということです。
802が生まれたのは1989年、今年で23年目を迎えています。
この説によれば、衰退期ということになります。
これ、FM大阪も同じような傾向がありました。
1970年に生まれ、やばくなっていくのは1990年代です。
今は、中はしっちゃかめっちゃか、JFNがあるから何とかバランスが取れている状態というか。


さて、話が少し長くなりました。
この続きはまた次回にでも。



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