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シリーズ ラジオの生きる道(10)~サブカルとラジオ

サブカル、サブカルチャーのことです。
サブは副の意味よりも、下位という意味の方が近いですね、つまり下位文化と訳されます。
文化の下位にあって、一部の人たちによって形成されている思考形態・行動形態とでもいいますか。
でも、その一部の人たちが次第に多くの人に支持され、権威を持つようになると文化、カルチャーになる、ま、それぐらいの意味で私は使っています。


ラジオはサブカルチャーと親和性が強い、と私は思っています。
深夜放送というのも、元々はきわめてパーソナルな、本来学生や生徒の教育面においてはカウンターカルチャー的なサブカルだったといえましょう。
勉強しているのかと思ったらラジオを聞いている、しかも夜遅くまで。
おかげで次の朝はなかなか起きてこない、お母さんは怒って「早く起きなさい!」と大声を上げる。
深夜放送なんて、親や学校からすれば好ましからざるものです、教育的に言って。
それでも、深夜放送というサブカルチャーは多くの文化を産みました。
ビートルズといえば不良そのものだったのが、しばらくすれば芸術として認められ、それが50年たった今も多くの富を産みつづけているのは、誰も否定できないことです。
サブカルチャーからカルチャーへ。
その過程に大きな影響力を持つのがラジオというわけです。
テレビは結果を伝え、ラジオは過程を伝えるメディアだと私は繰り返し述べてきました。
テレビはカルチャーを伝え、ラジオはサブカルチャーを伝えるメディアと言い換えることもできそうです。
これからの話もそういった私の意見を前提に聞いてみてください。


さて、サブカルのイノベーター、すなわち下位文化を担っている人々からの視点でラジオを考えてみようと思います。
これらの人たちは、自分たちの表現の場を、今日も求めています。
場としてのプライオリティを考えると、一番はやはり雑誌などの活字媒体、サブカルを体現するような雑誌の誌面に原稿を書いたりすることでしょう。
その次は、新聞、それも一流紙、そしてラジオの出演というのが考えられます。
本当はテレビの出演というのが、精神的な部分では一番なのですが、サブカルはテレビには耐えられないのが感覚的にわかっておられるのではないでしょうか。
テレビでは、本質をねじ曲げられる、とがった部分は丸くされる、あげくに何だかわからないままに、単純化され、はっと気づいたら終わっている。
自分も場に慣れないので、出たという結果しか残らず、表現的には不満だったりするのではないかと思います。
サブカルにはテレビは似合わない、私はそう思うのですがいかがですか?
とりあえず今回はラジオの事がメインなので、テレビのことはこれぐらいで。


サブカル関係者、ラジオは意外と自分たちに合うなと思っているはずです。
ラジオに出るということも一つのステータスですし、また自分のためにそこそこの時間をとってくれます。
番組の趣旨とうまくはまれば、まさかと思うほどの反応も返ってきます。
永六輔さんの番組を聞いていると、例えば恒例の「まむちゃん寄席」(毒蝮三太夫さん主催の番組とタイアップした寄席)の告知がなされます。
多分、まむちゃん寄席なんて言われても、何それ?という人がほとんどでしょう。
ところが、番組内でチケット売り出しの話をすると、番組の途中でほとんどと言っていいほどソールドアウトします。
そういう人たちが、永さんのラジオを一杯聞いているのです。
チケットの数なんか、たかが知れています。
でも、じゃあ新聞に広告を打てば売れるのか、テレビでCMを打てばソールドアウトするのか。
多分そうじゃない、これはサブカルの分野、永さんの番組で取り上げるから売れるんだということが、放送関係者として場数を踏めば納得されるようになるはずです。


映画なんかもそうです。
多くのスクリーンで上映されるような映画は、テレビでの主演者のPR出演は重要でしょうが、単館系の映画ははるかにラジオの方が訴求したりします。
今は存在するのかどうか知りませんが、NHKラジオ深夜便で映画紹介のコーナーがあり、私は夜、車を走らせながらよく聞きました。
NHKですから、これは映画のパブリシティでもなんでもありません。
コメンテーターの人が、本当にいいと思った映画を紹介してくれます。
しかも、本当にいいと思っているから、その気持ちが言葉に見事に乗っているのです。
ああ、そうか、そこまで言うなら一度見てみようか、と聞いている方も心から思うようになるのです。
おかげで、ちょっと気になった映画は、映画館まで見に行きましたし、見そびれた映画はビデオになった時に借りに行きました。
そりゃ、テレビのようにいきなり大当たりなんかしません、ラジオは。
しかし、「あるある大事典」のような、仕組まれた流行みたいな話とはラジオは無縁であることは確かです。
一体どちらが本当に消費者、ユーザーに向いているでしょう。
ユーザーに真摯に向き合っているメディア、ラジオの生きる道はまさにそれだと思うのです。


だから、私は繰り返し言うのです。
ラジオショッピングやレスポンス広告、それが本当にラジオの生きる道ですか、ユーザー(リスナー)の気持ちに配慮がなされていますか?と。


とにかくサブカルを担う人々はラジオにその場を求めているのは事実です。
それにラジオの現場がどれだけ対応できているか、ただで出させてやるんだ、ありがたく思え、なんて上から目線でないことを祈ります。
サブカルチャ―のイノベーター層と、どれだけラジオ局側がWIN-WINの関係を保てるか。
ラジオ局の皆さん、原点にもどって一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか。




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[C9] 旅先のFM CoCoLo

忌野清志郎「夜をぶっとばせ!」のときに返信ツイさせて頂いた者です。

実は数日前、久しぶりの家族旅で、伊勢に向かって、名阪国道から伊勢道を走っておりました。安濃SAで家からつくってきたお弁当を、というところで雨が降ってきたんです。車内に逃げ込み、お弁当再開。降りる前聞いてたラジオを聞こうとFM CoCoLoを。…あまりのことが起きました。そのときのツイートはこれです。

https://twitter.com/#!/ojiichang/status/184854932220948480
しかしFMCOCOLO、旅先昼時の車内で「水虫、白せん菌、腋臭治療」の通販広告はないわ。ほな聞くなと言われりゃそれまでだが。

旅気分が一気にガクーンと奈落の底に突き落とされた、と言いますか。

ああ、こういうことが起きるんなら、もう旅のBGはラジオじゃなく、CDにしよう、iPhoneに入れた音楽にしよう、またはgoodreaderに入れた過去のサンソンやMOTOHARU RADIO SHOWでいいか、とも思いました。

しかし、車を走らせながらの、次に何がかかるかわからない、ハプニング性のある生のラジオの魅力には、代えがたい何かがあると思います。
当日のリスト振り返っても
12:06 サイダー'73 大瀧詠一
12:08 いなせなロコモーション SOUTHERN ALL STARS
12:18 I WANNA BE YOUR LOVER PRINCE
12:20 大人になりましょう PIZZICATO FIVE
12:24 FAMILY AFFAIR SLY&THE FAMILY STONE

従来のCOCOLOリスナーには批判される方もいらっしゃるでしょうが、私にとってはなかなかニヤリとしてしまういい流れでした。

…これを積極的に聞こうとする層に、はたして、水虫、腋臭治療の用具のすばらしさを伝えるわざとらしいダイアローグが続いた後、ここを窓口にして購入に至る方がどれだけいらっしゃるのでしょうか。

…やはり、特にFM放送というのは、ひとときの夢を見させてくれるもの、特にドライブ中には、だと思うのです。
 CoCoLoは802傘下になり、over45というコンセプトでこれからもいくということです。802誕生後の黄金時代に多感なときを過ごし、バンパーステッカーなんて貼ってたリスナーは、きっと期待を寄せてCoCoLoを車内1番目のチョイスにすると思います、しばらくは。そして、小さめのハコでのライブイベントや、Lマガジンと組んだ企画、twitterと連動させた企画、関西在住の作家さんや、ブロガーにDJをさせる番組、なんかを個人的には期待したいと思っています。

長文失礼致しました。

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Author:フロムさん


100以上の番組、ライブを中心としたイベント、舞台、映画など、専らクリエイティブな世界に身を置いて30年。
言いたいことは一杯あっても、口に出せないことだらけ。
せめてはその一部でも書き残そうと試しに作ったブログ。
いつまで続くかは皆さん次第。


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