Entries

シリーズ ラジオの生きる道(8)~TBSのサブカル路線

ある方がツイッターで、TBSが関東で聴取率首位、先日の小島氏降板が騒動になったり、関東の方の体制指向からしたら意外な感じ、あれは「残存者利得」路線?という問いかけをされていました。
残存者利得、多分残存者利益のことだと思います。
残存者利益とは、「過当競争や収縮傾向にある市場において、競争相手が撤退したあと、生き残った企業のみが市場を独占することで得られる利益」(コトバンクより)だそうです。
遠藤功「経営戦略の教科書 」(光文社新書)によれば、残存者利益が成り立つ条件とは、「成熟しているが絶対になくならない製品であること」「市場の成熟化に耐えられる体力を持っていること」「競合は多いものの強くないこと」の3つ。
さてラジオの世界で、これらの条件が満たされるかどうか。


競争相手が撤退したのは、ミュージックバードが確かにそうでしたね。
元々PCM放送の会社は6社ありました。
日本テレビ系、TBS系、徳間(大映)系、中日新聞(CBC)系、ヘラルド映画系、しかしどの社も結局利益を出すことができず、最終的にミュージックバードに飲み込まれた形になりました。
私がバードにいた時から、最終的にはバードが独占するという構想を持っていましたから、ある意味残存者利益を狙っていたのだと思います。
上の三つの条件から言うと、最初の「成熟しているが絶対になくならない製品であること」という面で問題があったのかもしれません。
TFMは成熟化に耐えられる体力をずっと保持してきましたが、これからはどうなのでしょう。


話をTBSに戻します。
残存者利益云々は何とも言えません。
しかし、ラジオ局の中で体力を持っているのは事実です。
ラテ兼営局は強いです。
大阪の朝日放送、毎日放送、名古屋のCBC、福岡の九州朝日放送、RKB毎日放送。
地方にいけば、ほとんどのラジオがラテ兼営局によって運営されています。
ラジオ単営は、正直いって今のご時勢は辛いでしょう。
ラジオを複数局持つことを国が認めたのも、そういった再編が不可避であることを体現しているのだと思います。


で、残存者利益とは別に、私がTBSラジオの強さであげたのが、サブカルチャー路線ともいえるべきものだったのです。
サブカルチャーは、それが発展すればカルチャーになるべきものです。
テレビは結果を伝えるメディア、ラジオは過程を伝えるメディアだとこのブログで書きました。
過程を伝えるというのは、サブカルチャーを伝える、それもカルチャーへと発展する可能性を感じるものを先取りして番組化するというものです。
小島慶子さんのキラ☆キラも、そういった番組の一つでした。
番組で小島さんを始め出演者が語っていたことは、文字通り皆さんが気づいていないサブカルチャーの紹介という側面が強かったと思います。
何故か、多分、TBSラジオの遺伝子の中にそういうものがまだ残っていたのではないか、そう感じる次第です。


他の番組もそうです。
深夜番組「アクセス」、それが改編して「dig!」に変わっても、伝えるのはサブカル路線に乗ったものです。
私は、この番組を聞くまで、荻上チキさんも藤木TDCさんも大根仁さんも知りませんでした。
でも、この人たちの向こうには多くのイノベーターが存在しているということを、日々の放送で実感しました。
つまり、その向こうの世界が、形となって見えてくるのです。
大沢悠里さんの番組もそうです。
大沢さんは、年配の方に向けて放送するスタイルをとっていますが、若い人も多分それを支持していると思います。
毒蝮さんは、やたら「くたばりぞこないのババア」なんて放送で言いますが、聴く人は誰もそれに反感を持ちません。
そして、まだサラリーマン生活を送っている年配の方は、森本毅郎スタンバイを聞かれるでしょう。
テレビで流される、エキセントリックな司会者の叫びはここにはありません。
しかも、物事を単純化して紹介するフリップもなければ、善悪を決め付けたようなボードもありません。
別に、単純化しなくても、リスナーは逃げません。
わからないことはわからないでいいのです。
出演者が偏ったことを言っても、リスナーは適当に処理して聞いています。
そんなこと、一概に言えないよと苦笑しながら。


サブカルチャー紹介番組の象徴は永六輔さんの番組です。
永さんはテレビを今や拒否しています。
カルチャーの紹介は結果の紹介に他ならないとすれば、そんなテレビに私はつきあえないと思っておられるのかもしれません。
そして、アシスタントの外山恵理さんは見事にそれをサポートしています。
私もテレビに出ません、私はテレビに出るようなタイプではありませんと謙遜しながら自己主張されています。
多分、サブカルチャーに集まる人々が好きなのでしょう、流行の波の上で楽しそうに泳ぐ人々(チャラチャラしている?)と一緒にいるのは自分の生き方とは合わないのでしょう。


私は昨日のツイッターで次のようにTBSを評しました。
「TBSはいいパーソナリティを揃えているのは間違いありません。優秀な社員の方も多いし、私はテレビに出ませんと言うアナウンサーまでいます。サブカルチャーの仕掛け人とのつきあいも顕著、社員数が多いのもアドバンテージですね。」
ラジオの聴取率首位にいるのは、むべなるかなです。
さて、長くなりました、TBSラジオの話、次回ももう少し続けてみたいと思います。



スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://from3.blog.fc2.com/tb.php/133-cc1fd611

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

四季の花時計

プロフィール

フロムさん

Author:フロムさん


100以上の番組、ライブを中心としたイベント、舞台、映画など、専らクリエイティブな世界に身を置いて30年。
言いたいことは一杯あっても、口に出せないことだらけ。
せめてはその一部でも書き残そうと試しに作ったブログ。
いつまで続くかは皆さん次第。


ツイッターHN :abex795 

アクセスカウンター

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
テレビ・ラジオ
151位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
ラジオ
11位
アクセスランキングを見る>>

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる