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シリーズ ラジオの生きる道(4)~ラジオとイノベーション

ラジオとイノベーションについての2回目。
とにかく、ラジオは幾つかのイノベーションを通じて、今のビジネス的位置を占めていると書いてきました。
しかし、今ラジオは行き詰っています。
それは、新しいユーザーの開拓に失敗しているからに他なりません。
過去の客で何とか今の苦境を乗り越えようとしています。
それを私はラジオ=老舗という考え方で解き明かそうとしました。
老舗には昔からの客がいて、その人たちはかつての思い出を大事にしていますし、そのブランドが今後もできれば続いていってほしいと願っています。
唯一、不愉快なのが、ラジオショッピングであり、レスポンス広告。
こんなのできるだけ早くやめてほしいと思っています。
見苦しい、暖簾(ブランド)を傷つける、私がシンパシーを持っている出演者にそのお先棒をかつがせるな、と。


でも、ラジオはそういう顧客の要望に耳を傾ける余裕を持ちません。
何しろ、そういう商売のやり方を持ち込んできたのは代理店なのですから。
代理店にばかり顔を向けて、リスナーの要望を話半分に聞いてきたのがラジオ局なのです。
しかも、最近代理店はラジオのことにあまり注意を向けてくれません。
唯一あるのは、電通さんがわざわざ用意してくれたradiko。
さあ、この新しいツールを使ってイノベーションを起こしてくださいと、半分投げ出したように提起されています。
でも、ラジオ局、そのradikoを遠まわしに眺めながら、「で、私たち、これを使ってどうすればいいのです?」と電通さんに問いかけている状況に見えます。
イノベーションの起こし方も、おんぶにだっこ、ま、仕方ないでしょうね、自発的にイノベーションを起こした経験などないのですから。


ラジオ局の社員の数は、この10年、減る一方です。
制作会社も減り、ラジオの番組制作のための外部スタジオも減り続けています。
仕事がない、それが外部の人たちの声です。
つまり、ラジオ関係者の絶対数が減っている、そんな世界にイノベーションが起こる確率は確実に少なくなっています。
人が増えれば、関係性は人×人になります。
人のn乗です。
それが減れば、イノベーションが起こる確率も乗数で減っていきます。
簡単な理屈ですが、それが現実に生きているラジオ関係者には見えていないのかもしれません。
制作費を減らせば、会社の利益は確保できますが、それは次年度の制作費を減らす結果を招きます。
いわゆるデフレスパイラル、制作費が減れば人は減り、そしてまた生産価値は落ちて行きます。
どうすれば、イノベーションが生まれるのか、一度立ち止まって考えてみてください。
新しい、しかも当を得た投資とは何かを冷静に考えてください。


それが、地上波デジタルラジオだと思うなら、説明できるような構造をプレゼンしてください。
今あるのは、技術だけであり、どこにもニーズはありません。
ユーザーが何を望んでいるというのでしょう、その地上波デジタルラジオで。
いえ、よく言いますよね。
ユーザーが何を望んでいるかを問いかけて、返ってきた答をそのまま実行すると失敗すると。
ユーザーは、己のニーズを自覚してはいません。
潜在化しているニーズを掘り出し、それを形にして提起した時、ユーザーはそれが自分の望んでいたものだと声を上げ、得ようとするのです。
ラジオ関係者にその努力が今あるでしょうか。
目に見えますか、少なくとも私は業界の端にいる人間として、何も見えておりません。


ラジオが生き残る道、それはまだまだ目に見えない、そんな感想を強く持っております。



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100以上の番組、ライブを中心としたイベント、舞台、映画など、専らクリエイティブな世界に身を置いて30年。
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