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シリーズ ラジオの生きる道(3)

ラジオとイノベーションについて書いてみようと思います。
その前にイノベーションと言う言葉についての説明。
Wikipediaの説明が的を射ていると思うので、転載することにしました。

イノベーション(innovation)とは、物事の「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のこと。一般に誤解されているように、新しい技術の発明だけではなく、新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革である。つまり、それまでのモノ、仕組みなどに対して、全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすことを指す。



ラジオが日本の家庭に登場した時、それは家族の真ん中にあり、集まって聞くエンタテインメントのツールでした。
唱歌「かあさんの歌」では、ラジオはこのように歌われています。

かあさんは 麻糸つむぐ
一日つむぐ
おとうは土間で わら打ち仕事
お前もがんばれよ
ふるさとの冬はさみしい
せめてラジオ聞かせたい

さみしい夜を慰めるツール、それがラジオだとこの歌は語っています。
ラジオの存在は一つのイノベーションであったことがわかります。
家族にメッセージを伝える機能もラジオにありました。
もちろんそれは、広告効果も高いことを表してもいたというわけです。


さて、戦後現れたテレビによって、ラジオは家族の団欒から排除されてしまいました。
お茶の間から排除されたラジオはどうなったのか、そうです、高度経済成長に伴い、新しい居場所を見つけることになったのです。
つまり、高度経済成長は各家庭の子供たちに個室をもたらし、その結果ラジオはパーソナルな空間に自分の存在意義を見出すようになりました。
折りしも乾電池で動くコンパクトサイズのラジオ、トランジスタラジオが大量生産され、勉強机の上には必ずといっていいほどラジオが置かれるようになっていったのです。
そして、若者たち(主に学生)をターゲットとした深夜放送が一大ブームになりました。
なにしろ、この時の学生世代がいわゆる「団塊の世代」そのものでした。
とにかく、広告ターゲットとしては、もっとも効率の高い層です。
それをしっかりと持つということは、ラジオの媒体価値を高め、多くの投資をラジオに呼び込むことになったのです。


ラジオにはその後、カセットが装着され、ラジカセが生まれます。
FM局が全国に広がり、エアチェックがより盛んになります。
エアチェックされた音は、ウォークマンによってポータブル化されました。
音楽は家で聞くという時代から、持ち運べる時代になったのです。
通勤・通学の時も、社会の喧騒から離れ、自分の世界に浸ることができました。
ウォークマンは音楽を更にパーソナライズしたのだといえましょう。


そして、PCの時代、ケータイの時代、スマートフォンの時代がやってきます。
音楽は、もはやラジオに寄り添うことはなくなります。
若者は、ラジオを必要としなくなり、家族の団欒からも、子供たちの部屋からも排除されるようになりました。
一体、今ラジオはどこにあるのでしょうか。
パソコンの中?
ああ、確かにradikoもらじる★らじるも、アプリとして画面の中におさまっていますね。


でも、これラジオ局の実態とイコールでしょうか?
ラジオはradikoなのですか?
だとしたら、何て居心地の悪い場所ではないですか、どう思われますか、皆さん。
私の感覚では、ラジオを聴く世代をこう分類できる気がします。
AMラジオを聴く人、60~70代、FMラジオを聴く人、40~50代。
30代以下、ラジオと言う形式のものはあまり聞かない、インセンティブが働かない。
確かに、これじゃスポンサーの30代以下の宣伝部の方、広告媒体にラジオを選ばないのは当然ですね。


ラジオの居場所、まだ何とか保っているのは、車の中ですかね。
だから、車で聞くラジオはまだ生き残っている感じがありますね。
FM東京系列の「日産 あ、安部礼司」なんかは、イベントに2万人集まったといいます。
ある程度予算もあり、大手企業が全面的にバックアップしてくれれば、ラジオはまだこれぐらいのパワーはあるということでしょう。(「サントリー・サタデー・ウェイティング・バー」も、なかなかいい味を出しています。)


とはいえ、これからラジオはどういうイノベーションを図ることができるでしょうか。
ラジオが新しく持ったツールといえば、radikoであり、ケータイによる全国のFM放送の聴取であり、インターネットによる再送信であり、V-low帯を使ったデジタル放送ということになるでしょう。
さて、ここからどんなイノベーションが生まれるのか、次回はそのあたりを。




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100以上の番組、ライブを中心としたイベント、舞台、映画など、専らクリエイティブな世界に身を置いて30年。
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