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シリーズ ラジオの生きる道(1)

3月半ばを過ぎました。
このシーズン、ラジオ局は4月改編でバタバタしている時期でしょう。
終わる番組をどうソフト・ランディングさせ、新しい番組をどうやって軌道に乗せるか、一人一人のスタッフが一番頭を悩ませている頃です。
しかし、それ以上にラジオ局が頭を悩ませるのが、この年度の売上がどうなるかだと思います。
とにかく、ラジオは前年比90%そこそこで推移してきているのが現実。
これを続けていけば、そのうちになくなってしまうのは素人でも予測のつくことです。
反転攻勢なんて勇ましい言葉で社員を鼓舞されている局もありますが、所詮カラ元気なんて自嘲的に言う局員の方もおられます。
とにかく、ラジオ業界、バラ色の未来を語る材料は乏しい、夢を見たいと思っても、その夢には光り輝く黄金はかけらすら登場しません。
どうしたらいいのだろう、何かいいアイデアはないですかね、と真顔で尋ねられるラジオ局の役員の方もおられます。
聞く相手を間違っていませんかという気分ですが、溺れる者は藁をもつかむという心境なのでしょうか。


そういうわけでというわけでもないのですが、しばらく私もない知恵を絞ってこれからの「ラジオの生きる道」を考えることにしました。
そんなにすぐに答えを導き出せるとは思えませんが、何かの参考になれば幸いですというところでしょうか。


今のラジオ界に足らないものは何かと聞かれて即答できるのは、「ラジオが今何を見せることができるか」への努力が感じられないことだと答えたいと思います。
つまり、ラジオからは何も見えない、という率直な感想を持つからです。
もちろん、ラジオは聞くものであって見るものではありません。
でも、例えば私がいたFM局が一番話題になった頃は、ラジオを通して多くのものが見えました。
見える、想像を喚起すると言い換えてもいいかもしれません。
それほど、ラジオから想像を喚起するメッセージが伝わってきたということですし、FMに関しては、FM雑誌という強い味方もいました。
新聞には「FMウィークリー」という見開きのページがあり、レコードジャケットから見えてくるアーチストのビジュアルイメージがFMラジオを補完していたと思うのです。
つまり、ラジオはそういう多くのメディアによって見える部分を補ってもらっていたのです。
それは、ラジオ局が自発的に作ったものではありません。
ある部分は、広告代理店が作り上げたものかもしれませんし、新しいメディアを支える媒体のイノベーターによって演出されていたのかもしれません。


ラジオを支持するイノベーターの皆さんが、大きな枠の中でラジオに自分の思いを乗せた、だから、ラジオは人々の思いに一番親和性があると私は考えます。
テレビは、こういったイノベーターの方との親和性はさほど大きなものではないと思っています。
テレビとはある意味結果のかたまり、それに比べてラジオは常に何かを生み出す過程と考えれば、その機能はわかりやすくなるでしょう。


昨今、ラジオは衰退している、それはとりもなおさず、従来ラジオを支えていたイノベーター層が離れてしまった結果と言えるのではないでしょうか。
ラジオは自分たちだけで自立していたのではない。
欠落しているビジュアル部分を、別のメディア、あるいはイノベーターが埋めていたのだと考えてみてはどうでしょうか。
今、そういうものは何もラジオにないのです。
インターネットというビジュアル部分を補うメディアが生まれているのに、それを活用できるラジオ局はほとんどない。
ラジオ局側にイノベーションがない、とにかくその言葉につきるのです。


ということで、ラジオに必要なものは、「見える」ということと、それに連関する「イノベーション」です。
ラジオは放送を始めれば自己完結すると考える放送マン、意外に多いのです。
宣言しておきます。
ラジオは自己完結しません。
自分たちで考え、自分たちで編成し、自分たちで放送を売れば、ラジオはこれからも生き延びられるなんて考えは「幻」です。
あるいは、かげろう、逃げ水。
自分たちの放送が、どうリスナーに見えているのか、スポンサーに見えているのか、一般の人々に見えているのか、まずそこから始めなければ、未来はいつまでも見えません。


私は、本当の意味で「見えるラジオ」「ラジオのイノベーション」について考えてみたいと思います。
シリーズ「ラジオの生きる道」、しばらく続くと思いますが、どうぞお付き合いください。





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100以上の番組、ライブを中心としたイベント、舞台、映画など、専らクリエイティブな世界に身を置いて30年。
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