Entries

シリーズ 広告代理店・14

民放のテレビ局やラジオの局のビジネスモデルを作ったのは、広告代理店だというのが私の意見ですが、最近では顕著な例としてレスポンス広告が増えていることが挙げられるでしょう
レスポンス広告、ネットで調べると、「商品や企業などの認知度を高めるイメージ(ブランド)広告に対して、ダイレクトレスポンス広告は直接、顧客からの注文や問い合わせを受け付けることが目的の広告。通信販売が代表的。」などと出てきます。
イメージを訴求するメディアとしては、ラジオ媒体は限界に達しているという言い方もよくされるようです。


この話、何年か前になりますが、ラジオ局の役員からため息混じりに言われました。
「先日、代理店の役員と話していたのだが、これからはラジオはレスポンス広告の時代だ。もはやかつてのようなビジネスモデルに固執すべきじゃない。レスポンス広告に応じるなら、もっとラジオを採用できるので考えてくれと言われたんだ。そんなこと言われてもね。」
その後紆余曲折があり、レスポンス広告はラジオ売上の主要な要素となるようになり今に至っています。
レスポンス広告といえば、何といっても「再春館製薬」の痛散湯ですね、それから自動車保険のアクサダイレクトなどもそうです。
で、この場合のレスポンス広告のシステムを私なりにまとめてみます。
あまりご存じない方も多いと思われますので。


ラジオ局は、レスポンス広告のスポット(長秒数が多い)を流します。
ほとんどがサンプル進呈とか資料請求の案内スポットで、リスナーからの反応はフリーダイヤルの電話というのが一般的です。
いわゆる、ダイレクトなレスポンスがクライアントのコールセンターに集まるわけです。
そのレスポンスの数に例えば1万円をかける、それがクライアントから放送局に払われる広告料になるわけです。
1回のスポットで100人のレスポンスがあれば、100万円の売上になるわけで、それほど悪い商売ではない感じもします。
しかし、もしスポットの返りが1本も電話がかかって来なかったら、放送局には1円も入りません。
ただでスポットを打てるわけですから、得をするのはクライアントだけということにもなりかねない。
最初は、その理由を持って、難色を示す放送局も多かったようです。


とはいえ、自分たちの媒体力に自信をもっていたラジオ局、例えばラジオショッピングで抜群の反応を得ていた局は、レスポンス広告でも、そこそこの反応を得ることに成功しました。
そうなると、他の局も黙っていられなくなります。
断るということは、媒体力に自信がないからだ、リスナーの獲得にも失敗しているからだと思われかねません。
そして、このレスポンス広告は、今やほとんどのラジオ局で行われています。
何としてもレスポンスがほしい局は、ワイド番組のパーソナリティの声で、資料請求はどちらまでと声高に叫びます。
正直、ラジオの世界で生きていた私からすると、この状況、あまり好きにはなれないというか、ラジオはクライアントがらみのレスポンスを餓鬼のように欲しがるのではなく、リスナーとのコミュニケーションの中から、クライアントのブランドを構築するメディアとして、もう一度勝負してほしいと思うのです。
少なくとも、ラジオの放送の上では。(ダイレクトレスポンスには、自局のウェブサイト等のインターネットを使えばいいのにと。)


ある人はこういいました。
レスポンス広告なんか、ラジオ局がいいように利用されているとも言えなくはないよ。
何しろ、リスナーから電話がかかってくれば、それが顧客名簿にデータ化されるわけだ。
一度データ化されれば、クライアントはもはや放送を介しなくともリスナーとコミュニケートできる。
だから、一人の顧客をつかまえれば、二度とラジオを介してコールセンターに電話してくることはない。
ラジオ局が日々、リスナーを拡大しているならまだしも、いわゆる壮年世代以降しか聞いておらず先細りすると危惧されているのが実際のところではないか。
レスポンスは、増えていくことはなく、今後減り続けるのは目に見えている。
これが新しいラジオのビジネスモデルと広告代理店に言われても、信じられないのだが。


スポンサーと直接にコミュニケーションをとっているリスナーが、新たにスポットを聞いたからと言って、その通りに電話するはずはない。
確かにそうですね。
常に新しいリスナーをつかみ続けなければ先細りというのは、誰が考えてもわかることです。
しかし、そうであっても、今のラジオ局、昔のように宣伝のためのスポットの数は、まさに数えるほどになってしまっています。
レスポンス広告であろうと、反応があれば金を払ってくれる、その仲介は代理店がとってくれるのですから、もはややめることはできないようです。
代理店からすると、これも十分自分たちの扱いですし、全放送局を対象にする限り、そこそこの売上にもなります。
レスポンスがなく、一円も払ってもらえないと内心不満に思っているラジオ局もあるでしょうが、そんなこと代理店にとっては知ったことではないでしょう。
レスポンスがあってこそのラジオでしょ?何言っているんですか、と言われればオシマイでしょうね。


ラジオショッピングと合わせて、ラジオ局としては本当はちゃんとビジネスモデルの見直しを図りたいところでしょうが、元々ラジオ局のそれを考えたのが代理店だったとすると、自分たちだけで新しい答をだすのは至難の業かもしれません。
もしそうだとするなら、皮肉なことだと言うしかないですね。





スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://from3.blog.fc2.com/tb.php/117-23382154

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

四季の花時計

プロフィール

フロムさん

Author:フロムさん


100以上の番組、ライブを中心としたイベント、舞台、映画など、専らクリエイティブな世界に身を置いて30年。
言いたいことは一杯あっても、口に出せないことだらけ。
せめてはその一部でも書き残そうと試しに作ったブログ。
いつまで続くかは皆さん次第。


ツイッターHN :abex795 

アクセスカウンター

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
テレビ・ラジオ
184位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
ラジオ
10位
アクセスランキングを見る>>

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる