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シリーズ 広告代理店・2

さて、広告代理店の話を続けます。
繰り返しになりますが、「放送局のビジネスモデルを作ったのは、放送局ではない、広告代理店」です。
ビジネスモデルというより、商売のスキームを作ったという方が正確かもしれません。
民放ラジオも民放テレビも、商業放送として花開いたのは戦後ということになりますね。
基本的には、この商売のやり方、アメリカから入ってきました。
NHKは、そういう意味でいえばイギリスから入ってきたといえるかもしれません。
日本人は、海外のものをうまく日本の実情に適合させながら、新しい文化を発展させるのが得意です。
巨大な広告代理店が登場するのは、いかにも日本らしいといえますね。
ま、その話はおいおいと。


ラジオもテレビも広告代理店からすれば、広告のアウトプットメディアです。
そこに広告を出せば多くの人に認知してもらえる、町の看板や駅のポスター、新聞雑誌の広告欄、早い話本質は同じです。
テレビ、ラジオの特異性は何かというと、それは特定の団体が独占しているということかもしれません。
そのアウトプットは、ここでしかできない、他のものが寄こせといっても、国の認可がなければ譲渡は不可なのです。
つまりそのメディアが力を持つようになれば、利権構造はきわめてシンプルになるということです、少なくとも日本においては。


アメリカは、その点電波の認可は流動的です。
譲渡可能ですし、すべてが自由競争というか、経済原理で動いていきます。
日本では逆に、利権が固定化し、その独占に対して国がお墨付きさえ与えています。
そういう構造ですから、一度ネットの系列が生まれれば、よほどのことがない限り変更はありません。
また資本関係が動くというのも考えにくいわけです。
つまり、広告業界的にはハンドリングしやすい、どこをどう押さえれば、結果はこうという形で出てくると予測しやすいのです。


日本の巨大広告代理店は、そういう固定化の上に存在しているのだと思います。
既得権を守りたいと言う人と利害が完全に一致する。
その庇護の下にいれば、権利は侵害されない、言うことに従っていれば収入は保証され、経営基盤は安定する。
私は、ツイッターに次のように書きました。


一度クライアントの金を集めて分配するのが広告代理店。分配ではなく投資と考えれば、その効率を考えるのは代理店だ。


放送局は製造工場なのだから、言われたとおりに作っていろと広告代理店。とはいえ、放送局の人もプライドがあるから、俺たちがイニシアチブをとって放送文化を作ってきたと言いたい気持ちもわかる。でもね・・・。


放送業界のネクストジェネレーションを作りだせないのは、調整型の人物ばかりが実権をにぎっているからでは。世の中から尊敬されたり、その心意気を敬意をもって受け入れられたりするような人、本当にいない。
放送業界で経営側にたどりつく人は、権利の調整型人間で、ヴェンチャー的な志がある人はあまり出世しないのが普通、じゃないかな。


色んな利害を調整する人物、いわゆる管理型の人物が放送局側に求められているということです。
広告代理店の意に反するような編成方針を行うようなワンマン経営者がたまに出てくるようですが、多分容赦なく叩き潰されるのではないでしょうか。
何考えているんだ、そんな局には広告費の分配はしない!
実際には、皆さん大人ですから、とんでもない言葉でおどしたりはしないようですが、やっていることは同じようなものです。
放送局側のベンチャー思想など、広告代理店にとっては邪魔なものでしかありません。
インターネットが新しい広告メディアとして伸びて行っていることに当惑しているのは、多分巨大広告代理店だと思います。
彼らには、ベンチャー思想があり、勝手に自分たちのビジネスを創造していく。
広告代理店は、それを追いかけるしかない。
ま、今のところは過去の金銭的人的蓄えもあるので、何とか取り繕っていますが、これからの10年は多分大変だと思いますよ。
とにかくテレビで世界的なイベントで食いつなぐしかない、巨大であるがゆえにネット社会の中で小回りがきかない、なんてことになるかもしれません。
この10年、注目してみたいですね。




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鎮西すずか好きなので裏話もっとききたいです
一緒に仕事できるなんてうらやましいですよ

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Author:フロムさん


100以上の番組、ライブを中心としたイベント、舞台、映画など、専らクリエイティブな世界に身を置いて30年。
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いつまで続くかは皆さん次第。


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